• "耐震補強"(/)
ツイート シェア
  1. 大分県議会 2013-09-01
    09月11日-03号


    取得元: 大分県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-13
    平成25年 第3回定例会(9月)平成二十五年九月十一日(水曜日)  ------------------------------- 議事日程第三号      平成二十五年九月十一日           午前十時開議第一 一般質問及び質疑  ------------------------------- 本日の会議に付した案件日程第一 一般質問及び質疑  ------------------------------- 出席議員 四十二名  議長        近藤和義  副議長       田中利明            阿部英仁            志村 学            古手川正治            後藤政義            土居昌弘            嶋 幸一            毛利正徳            油布勝秀            衛藤明和            濱田 洋            三浦 公            末宗秀雄            御手洗吉生            桜木 博            麻生栄作            三浦正臣            守永信幸            藤田正道            原田孝司            小嶋秀行            馬場 林            尾島保彦            玉田輝義            深津栄一            酒井喜親            首藤隆憲            吉冨幸吉            平岩純子            江藤清志            久原和弘            小野弘利            元吉俊博            井上伸史            荒金信生            佐々木敏夫            戸高賢史            吉岡美智子            河野成司            堤 栄三            竹内小代美 欠席議員 一名            渕 健児 欠員   一名  ------------------------------- 出席した県側関係者  知事        広瀬勝貞  副知事       二日市具正  副知事       小風 茂  教育委員長     岩崎哲朗  代表監査委員    米浜光郎  総務部長      島田勝則  企業局長      坂本美智雄  病院局長      坂田久信  教育長       野中信孝  警察本部長     大沢裕之  企画振興部長    塩川也寸志  福祉保健部長    平原健史  生活環境部長    冨高松雄  商工労働部長    西山英将  農林水産部長    工藤利明  土木建築部長    畔津義彦  会計管理者兼  会計管理局長    小野嘉久  人事委員会            城 尚登  事務局長  労働委員会            安東忠彦  事務局長  財政課長      長谷尾雅通  知事室長      岡本天津男  -------------------------------     午前十時二分 開議 ○田中利明副議長 これより本日の会議を開きます。  ------------------------------- ○田中利明副議長 本日の議事は、お手元に配付の議事日程第三号により行います。  ------------------------------- △日程第一 一般質問及び質疑 ○田中利明副議長 日程第一、第九〇号議案から第一一二号議案までを一括議題とし、これより一般質問及び質疑に入ります。 発言の通告がありますので、順次これを許します。原田孝司君。  〔原田議員登壇〕(拍手) ◆原田孝司議員 皆さん、おはようございます。 あの暑かった夏がうそのように、最近めっきりと涼しくなってきました。これからまた観光シーズンが始まるんだなというふうに考えています。 きょうは、観光振興をまず第一番に質問したいというふうに考えております。その中でも温泉を生かした観光振興について知事のお考えを聞きたいというふうに考えています。 九州を一周する日本初のクルーズトレイン「ななつ星イン九州」が十月から運行開始されます。由布院温泉など県内をめぐる行程が充実しており、本県の観光振興に期待されるところであります。博多駅発着三泊四日で一人三十八万円から五十五万円、一泊二日は十五万円から二十二万円ととても高額ではありますが、JR発売分は、来年の六月出発分まで、ほぼ完売の状況だそうであります。もちろん鉄道ファンもいらっしゃると思いますが、国民は、お金をかけるべき価値のある出かけるきっかけを探しておるのかなというふうに考えています。 大分県の温泉はとてもすばらしく、料理もおいしいことはもちろんですが、これでは他の温泉地と余り変わらないのではないかと思います。大分県は、「おんせん県おおいた」、今、知事も、また執行部の方々も「おんせん県おおいた」のバッジをされています。実は、きょう私は、バッジじゃなくて、この日のためにシャツを用意してきています。「おんせん県おおいた」と名乗るからには、さらに他の温泉地との差別化を図ることが重要だと考えます。 そこで、本県の温泉資源を健康増進、美容や療養に結びつけ、さらには先進医療技術などとも組み合わせ、大分型の新しい湯治を発信すべきと考えます。医療機関、エステやマッサージ等ウエルネス産業等を連携させ、県全体の窓口を一本化し、旅行会社とタイアップするなどして、「おんせん県」にあわせてアピールするという考えであります。 温泉を核として、医療、健康、美容、観光などを総合的に組み合わせた付加価値の高い高級な旅行から若い方々にも気軽に楽しめるお手ごろな旅行が大分のいろんな地域で一年じゅう楽しめるとしたら、まさに魅力的だと考えます。 このような、温泉と健康、医療等を組み合わせた戦略的な観光PRを県として行うことについてどのようにお考えでしょうか、見解をお尋ねいたします。 次に、医療ツーリズムについてであります。 医療を受ける目的で他の国へ渡航する医療ツーリズムとしては、本県には、がん検診などで中国から訪れられている実績があります。さらに、アジアの富裕層等を対象とした検診、治療等の医療及びウエルネス産業等関連サービスを温泉観光とあわせて促進することにより、海外の医療ツーリストの呼び込みも期待でき、滞在型の医療ツーリズムの創出、振興につながると考えます。いかがでしょうか、お答えをお願いいたします。 以下の質問は、対面席にて質問させていただきます。  〔原田議員、対面演壇横の待機席へ移動〕 ○田中利明副議長 ただいまの原田孝司君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。  〔広瀬知事登壇〕 ◎広瀬勝貞知事 原田孝司議員には、温泉を生かした観光振興についてご質問を賜りました。 大分県の温泉は、豊富な湯量と多様な泉質、それから源泉をそのままかけ流して楽しめるぜいたくさもあります。そういった意味で、他県の温泉とは一線を画した魅力を持っていると思っております。 民間の調査によりますと、本県訪問者旅行先選定理由でも、実に八割近くが温泉を挙げておりまして、大分県の温泉に対する観光客の期待の大きさがあらわれていると思います。 そういった観光地としての強みを生かしつつ、さらに多くの観光客の心をつかんでいくためには、温泉に加えまして、議員ご指摘のとおり、療養や健康、美容などを結びつけて、バリエーション豊かな観光地づくりを進めていくということも大事だと思います。 既に県内においても幾つかの取り組みが始まっております。 別府市でございますけれども、泉質の異なる温泉をめぐることで効果を高める機能温泉浴や、あるいは温泉入浴と健康体操をセットにした健康促進プランなどを組み込んだ旅行商品が開発され、話題になっております。九州大学病院別府病院などでは、温泉入浴による脳卒中や心筋梗塞等の予防効果の研究も進められております。 また、竹田市でございますけれども、長期滞在を促す現代版の湯治とも言える温泉療養保健システムを構築しておりまして、その利用者は着実に伸びてきていると言われております。 さらに、由布市でございますけれども、自然景観と温泉を活用した予防医学やアンチエイジングの取り組みが進められるなど、各地で地域の特性を生かした活動が展開されております。 地域間競争が激化する中で他県との差別化を図っていくため、本県観光の魅力あふれる素材にさらに磨きをかけるとともに、付加価値の高い新たな要素も加えて、厚みのある情報発信を展開していくことによりまして、「温泉県はいろいろあるけれども、日本一の温泉県はやはり大分県だな」と言ってもらえるように、さらなるブランド力向上に努めていきたいというふうに考えているところでございます。 もう一つのご質問につきましては、担当の部長から答弁させていただきます。 ○田中利明副議長 塩川企画振興部長。 ◎塩川也寸志企画振興部長 私から医療ツーリズムについてのご質問にお答えいたします。 中国等から本県を訪れて、大分市、あるいは別府市の一部の医療機関においてがん検診などを受診している人たちがいることは承知しております。 温泉など資源に恵まれた本県は、健康増進や疾病予防を図るヘルスツーリズムに適しており、今、知事が答弁したとおり、温泉に療養や健康、美容などの要素を絡めて、観光地として磨きをかけていくことは大変大切なことであると考えております。 ただ、医療ツーリズムにつきましては、営利企業が関与して商品化するということについて関係者の方から慎重な意見もあると伺っており、医学専門通訳の確保など課題もございますことから、医療関係者等と情報交換をしながら、本県におけるあり方について研究していきたいというふうに考えております。 以上です。 ○田中利明副議長 原田孝司君。 ◆原田孝司議員 今、議場にいらっしゃる方、湯治って行かれたことあるでしょうか。別府温泉でも、多くの方々、これまで、長期滞在型の湯治ということをされる方がたくさんいらっしゃいましたが、なかなか今、そういった方が少なくなっているという話を聞いています。長期型の滞在含めて、湯治というのは、長期的に休みもとれなければ、今のライフスタイルになかなかやっぱりそぐわないんだろうなというふうに考えるわけであります。そういった意味で言うと、長期的とは言わずに、もう一週間以内ぐらいの短期型の湯治というのがやっぱりライフスタイルに合った現代版の湯治なのかなというふうに私自身は考えています。 今、知事の答弁で、日本一の温泉はやはり大分だ、私もまさにそのとおりだと考えています。 きのう、この議場で、来年の大河ドラマの黒田官兵衛の話が出ました。実は、私、黒田陣が陣を張った角殿山、今、黒田本陣跡という石碑が立ってるんですけれども、角殿山、今はルミエールの丘と言われている山であります、あそこのすぐそばにいまして、きのうも答弁の中にありましたNHKの大河ドラマの終わった後にする二、三分程度のあの中で、もしかしたら出てくればいいなというふうに考えているんですが、それとは別に、今、NHKで、土曜日の九時から「夫婦善哉」というのが放送されています。今度の土曜日で四回目の最終回なんですが、実は、織田作之助さんの有名な名著、あの「夫婦善哉」、今度の土曜日は、柳吉とお蝶ですか、主人公の二人が、「日本一の温泉は何といっても別府じゃ」、そして「別府に行こう」と言って、ドラマの中ですけれども、今度の土曜日に別府に来るわけであります。あの二人は、別府で温泉客を相手に化粧品やひげそり等の日用雑貨を売って、流川に大きな店を出すというストーリーになっていくわけです。私は、そっちはとっても楽しみでして、また、これで少しでも別府に、また大分に観光客が来てくれるかなというふうに考えております。 別府には、地球上の十一種類の泉質のうち、放射能泉、いわゆるラジウム泉を除く十種類があります。一般に開放されている温泉施設は約四百あり、温泉は市民生活の一部となっています。医療の発達した現代でも、その効果というものは決して否定されるものではありません。いやしという言葉に代表されるように、温泉の効能は精神的にも大きな価値のあるものだと考えています。ただ、一般的に、そうした効能と言われる健康への医学的な効果という根拠というのは、これまでなかなかはっきりしていなかったそうであります。このため、九州大学別府病院は、温泉関係者の長年の疑問を解決しようと、別府市などの協力を得て、六十五歳以上の市民二万人を対象に温泉に関するアンケートを実施し、一万一千百四十六人からの回答を中間報告として本年五月にまとめています。 中間報告であるために日本の三大疾病に限っての分析でありますが、毎日温泉に入ることで心筋梗塞、狭心症や脳卒中を予防できる可能性があると発表しています。 今後は、高血圧や糖尿病など疾病と温泉の関係や、がんの種別ごとの分析を進めるほか、泉質による影響も調べ、最終報告を平成二十七年三月までに行うこととしているそうであります。 これまで大規模な調査は国内でも例がなく、温泉と健康の関係に科学的な裏づけが得られればいいなというふうに私自身考えています。 調査の中心となっている前田准教授によると、きちんとした結果が出れば、それに基づいた疾患予防に向けた最適な温泉入浴方法が明確になり、例えば、メタボリック症候群など心疾患や脳卒中を発生しやすい人々への快適で有効な重大疾病予防法になり得ると言われています。 温泉と健康の関係に科学的な裏づけが得られれば、また、将来的には、もしかすると健康保険等の適用も可能性があるんじゃないかと思いますので、県としてもぜひ、これからの温泉を利用した医療ツーリズム含めて、活用をご検討願えればというふうに考えています。 先ほど、部長の方から答弁で、いわゆる医療ツーリズムについて慎重な意見があるというふうに、一部の方々が言われているという話がありましたが、その慎重な意見というのはどういったものか、ちょっと具体的にご説明願えればというふうに考えています。 ○田中利明副議長 塩川企画振興部長。 ◎塩川也寸志企画振興部長 詳細に一つ一つの個別の意見を存じ上げているわけではありませんけれども、私が伺っている範囲では、結局、営利企業が商品としてつくる、そういうツーリズムに対する、やはり多少の抵抗感があるというような話を伺っております。 ○田中利明副議長 原田孝司君。 ◆原田孝司議員 今、部長の答弁を聞いて、健康というものをビジネスにしていいのかという、一部の、やっぱり考える方がいらっしゃるんだろうなというふうに思います。 次の質問は、健康ビジネスとして、そこのところに踏み込んだ質問になると思います。 今、ヤフーで健康ビジネスと引けば、新潟県健康ビジネス連峰政策というのが、ぽんと一番最初に出てきます。健康というのがやはり大きなビジネスチャンスになっているということを私自身考えるわけでもあります。 実際に私たち、夜でも、テレビを見ていると、例えば、健康食品、ダイエット食品、健康器具、いろんな通販のコマーシャルが、もう連続して放送されています。ヒアルロン酸とかコラーゲンとか、よくわかんないんですけれども、体にいいんだろうということが頭の中にすり込まれている状況であります。 新潟県は、健康ビジネスといえば新潟県というイメージを確立し、健康ビジネスブランド化を図る健康ビジネス連峰政策を平成十八年二月から始めています。健康、医療、福祉をテーマに、農業、建設、食品、観光、ものづくり、サービスなどが業種の垣根を越えて連携することで、新たなビジネス機会を生み出す先進的な産業振興策として全国からも注目を集めています。 国民の平均寿命が延びる中、医療関連産業の活性化は国の成長戦略の一つに位置づけられており、九州経済産業局では、医療機器製造医療福祉サービス分野中心の約百六十の企業、団体でつくる九州ヘルスケア産業推進協議会を七月に設立し、高齢化で市場拡大が期待される分野で事業者の連携を高め、九州の主力産業に育てていくこととしています。 本県においても、高齢化や生活習慣病の増加などで県民の健康への意識が高まる中、健康ビジネスの創出に今年度から取り組むこととしていますが、関係機関と連携しながら本県の独自性ある健康ビジネスをどのように創出しようとしているのか、お尋ねいたします。 ○田中利明副議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 大変重要な健康ビジネスについてのご質問をいただきました。 急速な高齢化の進展もあります。生活習慣病の増加もあります。こういったことを背景に、健康ビジネスというのは、これからの成長産業として大きな可能性を持っているというふうに思っております。 特に大分県は、平均寿命は全国平均を上回っておりますけれども、健康寿命の方は、逆に男女とも平均を下回っているという状況でございます。食事や運動等を通じまして効果的な健康管理を提供する健康サービスを民間の力を活用して創出していくということは、健康寿命の延伸だけではなくて、本県の地域経済の振興にもつながっていくものというふうに考えます。 国におきましても、成長戦略の柱の一つとして健康寿命延伸産業の育成、成長を目指しております。医療機関と連携した運動、食事指導、あるいは配食サービスなどを提供する仕組みづくり等を進めていると聞いております。 健康ビジネスは、医療から福祉、介護、食品製造業等、対象分野が非常に広範囲に及んでおりまして、県といたしましては、各分野の専門の方々に参加をしていただいて、この七月でございますけれども、大分県健康ビジネス創出研究会をスタートさせたところであります。 この研究会では、地域型サービスの創出と健康食の普及の二つの部会を設けて検討を進めております。 地域型サービス創出部会では、医療・介護機関と連携した運動サービスの提供などについて検討しておりまして、公的な補助がなくても民間事業者が自立的に提供できるサービスの仕組みを研究していただいているところであります。 健康食普及部会では、減塩食の普及や健康弁当の配食サービス、社員食堂での提供などにビジネスの芽を探しているところであります。 県庁でも職員を対象に、県産食材を使った減塩、低カロリーの弁当を提供しておりますけれども、通常の弁当より少々割高ですけれども、なかなかおいしくて、健康志向の職員には支持されています。こうした取り組みによりまして生まれた高付加価値の県産品を県内外に展開するということも視野に、今、検討しているところであります。 また、全国の先進事例についても、お話のありました新潟県のほか、経済産業省モデル事業に取り組んだ事業者などにも直接伺って、情報収集と検証に取り組んでいるところであります。 健康ビジネスの創出には、県民の健康意識の向上も不可欠であります。十一月九日に開催する「健康フェスタ」では、広島県呉市の医師によるダイエットレストランを広める取り組みや県内企業による社員食堂での取り組みの紹介などを通じまして、健康ビジネスに対する機運の醸成を図っていきたいというふうに考えております。 こうした新しい流れをつくり出すためには、例えば、医療・介護機関と民間事業者との調整や産業創出の環境整備など行政に求められる役割も大きいと考えておりますので、国の施策とも連携しながら、大分県としても健康ビジネスの創出にしっかりと取り組んでいきたいというふうに考えているところであります。 ○田中利明副議長 原田孝司君。 ◆原田孝司議員 実は、三月の予算特別委員会のときに、いわゆる本年度予算の審議をするときに、いわゆる健康食の社員食堂を、今、知事の答弁にありましたもの、出たことについて、私は、タニタ食堂みたいなやり方をこの大分県に持ち込んでもうまくいくんですかというような疑問符を持った質問をしたんですが、ただ、この話を身近な者にすると、とてもみんな食いつくんです。実は、私自身、まだ、この県庁で提供されているものを食べたことないんですけれども、その話をすると、「ああ、私も食べてみたい」という話がとても聞こえてくるんです。 実、は大分市内の友達関係に言っても、「近くにいるの。ぜひ食べに行きたいな」という話をしているんです。それだけやっぱり健康食ブーム、ブームというか、いわゆるビジネスとして考えたときに、これ、結構おもしろいなというふうに私自身も改めて考えさせられました。 今、知事の答弁にありました健康ビジネス研究会、七月に設立されたということでありますから、これからこの動きにまた期待するとともに、まず、ぜひとも県としての後押しをお願いしたいというふうに考えております。 では、続いて、今度、教育行政について質問したいと思います。 公立小中学校の臨時講師についてであります。 まず、いじめ問題や不登校、児童生徒間の学力の格差、保護者や地域への対応と教員一人一人がかかわる仕事量がふえている中、学校教育の充実には、教員の資質、能力とともに、各学校に配置される教員数が大きくかかわっています。本県では、法に基づいて算出された教員定数に加え、県教委や各地教委の加配により充実が図られています。 しかし、全国的には教員総数に占める臨時講師の割合が増加しており、問題となっています。地方財政が厳しい中、義務教育費の国庫負担率が二分の一から三分の一に引き下げられたことや、法の改正により、正規教員一人分の人件費で数人の臨時講師を任用する、いわゆる定数崩しと呼ばれる措置が国庫負担金で可能になったことがその原因とされています。 数十年以上経験している臨時講師が、毎年の教員採用選考で不採用とされながら、四月にはまた臨時講師として採用され、学級担任などの仕事を行う、こうした一般社会のルールではなかなか考えられないような事態が学校現場の中で日常化しています。しかしながら、やはり臨時講師の正規化の推進が重要だと私は考えています。 そこでお尋ねしますが、本県における臨時講師の人数及び教員総数に占める割合の推移はどのようになっているのか、また、臨時講師の正規化についてどのようにお考えなのか、お聞かせ願いたいと思います。 また、最近、小中学校の現場の方々、また、地教委の方々から「臨時講師がいなくて困っている」という声をよく聞きます。四月に臨時講師が見つからず、学校によっては始業式直前まで学級担任が配置できない場合もあるとのことであります。さらに、年度途中の産休代替教員を探すのも苦労しているとのことであります。学校現場での臨時講師の確保は、教育担当者や学校長の深刻な悩みとなっています。このような実態を県教委はどのように認識し、把握しているのか、お尋ねします。 また、その原因をどのように考えているのか、さらに、学校現場の深刻な悩みの改善に向けた対策をどのようにとっているのか、お尋ねいたします。 続いて、臨時講師は、不安定な身分と低い賃金等の労働条件の中、正規教員と同じように多忙な校務をこなしています。それでも多くの臨時講師は、教員採用選考試験に合格できない自分の至らなさというか、その思いに責任を感じつつ、懸命に教育現場で頑張っています。 現場で教育実践を重ね、腕を磨いている臨時講師の方々に、採用試験上の優遇措置というものを設定すべきではないかと考えますが、現在、教員採用選考試験において臨時講師に対しどのような配慮がなされているのか、お尋ねいたします。
    ○田中利明副議長 野中教育長。 ◎野中信孝教育長 お答えをします。 まず、臨時講師の現状についてです。 臨時講師の人数と教員総数に占める割合の推移ですが、平成二十一年度は六百四十九名、率は九・二%、二十二年度、六百七十六名、九・七%、二十三年度、七百五十四名、一〇・七%、二十四年度、七百三十六名、一〇・五%、平成二十五年度、七百四十五名、一〇・七%です。 本県においては、児童生徒数に応じて措置される基礎定数に加え、いじめ対応等の児童生徒支援などといった加配定数によりまして多くの教員を学校に配置しています。 しかしながら、国の加配による教員定数は、予算の範囲内で措置される単年度ごとの定数であり、将来的に継続される保障はないことから、その多くを臨時講師として配置せざるを得ないなど、現状どおり、一定程度、臨時講師での対応は必要であると考えています。 次に、学校現場での臨時講師の確保についてです。 臨時講師の確保が難しい状況にあるということは認識をしています。その大きな原因として、近年の教員の大量採用により、正規教員の採用がふえた結果、臨時講師の候補者が不足するというようになってきましたこと、また、先ほど申し上げたとおり、本県では加配定数が多いことから臨時講師の需要が大きいこと、この二点であると考えています。 臨時講師の確保を初め、本県の教員の質、量を向上させるためには、教員採用試験の受験者数をふやすことが必要不可欠です。このため、現在、教員養成課程を持つ県内の全大学及び九州、中国地方の主な大学に、春、秋、年二回訪問し、説明会を開いています。また、東京、大阪、福岡でも大学生や現職教員等を対象に採用状況などの情報提供をすることで、採用試験受験者数の拡大を図っています。 今後とも、このような取り組みを充実させていきたいと考えています。 三つ目に、教員採用選考試験についてお答えをします。 教員採用選考試験については、平成二十年の事件を踏まえ、人事委員会との共同実施を初めとする試験制度のさまざまな改革、改善に取り組み、公正、公平、透明性を確保してきました。 地方公務員法上の問題や、試験の公正性、公平性の確保の観点から、臨時講師の経験による優遇措置は考えていません。 なお、現行制度でも、模擬授業など専門性を判断する試験を実施しており、日ごろの教育実践を生かすことが可能であると考えています。 以上です。 ○田中利明副議長 原田孝司君。 ◆原田孝司議員 現在、大量退職に向けて、今、採用の拡大を図っている、そのために少なくなっているということはよくわかるんですが、そもそも、今、大学で教員免許を取るときに、いわゆる、現在の採用状況どうなのかということがやっぱり、大学に入る時点での、大学のやっぱり、進路の選択の一つだというふうに考えるんですが、教員採用、なかなか厳しい時代が続いていまして、大学においても教員免許を取ろうという人がもう既に少なくなっていたというのが一つの事実かなというふうに思っています。 私は大分大学出身なんですが、もちろん大分大学教育学部の卒業生、当時は教員免許を取らなきゃ卒業できませんでしたが、今、教育福祉学部の中で教員免許を取っている人というのは本当にわずかでして、もちろん取らなくて卒業できるコースがたくさんあるということの中で、大学に入った時点で、もうそこで、教員免許をというのがもう眼中にないというか、眼中になければ、当然、例えば、臨時の応募もできないわけですから。そういった意味で、悪い循環が続いているために、ひとつやっぱり臨時の前提となる教員免許保有者というのが少なくなってたんだろうなというふうに思います。 また、今とても採用状況よくなりましたから、これから大学進学する人、ぜひ教育学部の方に入って、教員免許を取ってほしいというふうに私自身考えています。 実は、今回、教員採用選考試験について質問した一つの理由として、やはり採用試験が終わるまでは臨時を引き受けずに家で勉強しよう、もちろん、やっぱり公務員専門学校含めて勉強しようという人がかなり多くいるということであります。実は、私自身も、何年か臨時した後、なかなかやっぱり現場に出てると、現場の忙しさの中でなかなか勉強できないということで、採用試験が終わるまで休ませてもらって、臨時講師を引き受けずに家で勉強していました。そういった方々が、やっぱり厳しい試験ですので、たくさんふえているということだというふうに私自身考えています。 今、教育長の方から、模擬授業の中でそのことは十分生かせるという話ありましたけれども、例えば、今、三次試験まで進んだ方は、翌年は一次試験免除とかいうルールもあるそうですが、もっと弾力的に運用できないものかと私自身考えているんです。 例えば、一次試験を教職員としての基礎学力、基礎知識を問う試験と位置づけ、一度、一次試験に通れば、翌年からは一次試験は免除するとかいう方法、これはもちろん、私、勝手に言ってるわけですけれども、そういうふうにすれば、学校現場で頑張っている臨時講師の方々の負担も多く軽減し、例えば、採用試験が夏休み入ってすぐの土、日にあるわけですけれども、それがあっても臨時は十分できるという考えになるんじゃないかというふうに思います。そういったやり方をアピールすることにより、また全国的に優秀な人材が大分に集まってくるんじゃないかというふうに私自身考えるんです。 七年前の教員採用に係る汚職事件以降、公平な試験制度の構築に、知事、教育長、教育委員会の皆さん、本当に心血を注がれてきました。これは大変なことであったろうというふうに思います。磨けば光る人材を採用していくために、採用試験についてのさらなる改革が必要だと私は考えています。これからの検討をお願いし、この項の質問を終わりたいというふうに考えています。 続いて、動物愛護について質問いたします。 先日、同じ会派の守永議員と県動物管理所で行われている犬の譲渡会を視察しました。ボランティアの方々が朝から犬を洗って、少しでも見ばえをよくして引き取ってもらおうという様子を目の当たりにして、ボランティアの方々、また、職員の方々の奮闘に頭が下がる思いでした。 子犬は、当日四頭いたのですが、すべて新しい飼い主が見つかりました。しかしながら、成犬、大人の犬は、引き取り手が見つからず、次の譲渡会のためにボランティアの方々が自宅に連れて帰るというような話でした。 平成二十四年度の県内の殺処分頭数は、犬が七百二十四頭、猫が二千六百六十六匹で、合わせて三千三百九十頭でした。実に多くの犬、猫が殺処分されています。犬の殺処分は年々減少傾向にあるものの、猫は微増傾向にあるそうです。 県は、昨年の十月から、月二回の譲渡会に加え、月一回、猫の譲渡会を始めています。一方、県獣医師会は、譲渡された犬と猫に限ってでありますが、通常数万円の避妊去勢手術を一律五千円で実施しています。 行政、獣医師、動物愛護ボランティアが協力した積極的な譲渡会の取り組みは全国的にも珍しいと聞いています。実施から約一年になりますが、まず、この取り組みの成果についてお尋ねいたします。 また、県は、平成二十九年度までに犬、猫の殺処分数を二千六百頭まで減らすことを目標にしていますが、これを達成するためにも、家庭で飼われている犬、猫の避妊去勢手術の助成を県として実施するなど、さらなる取り組みが必要ではないかと考えますが、今後の対応についてお伺いいたします。 昨年九月に動物の愛護及び管理に関する法律が改正され、本年九月一日より施行されました。 動物は、飼い主の生活に潤いと喜びを与えてくれる存在ですが、近年は、虐待行為や飼育放棄、鳴き声などで周辺に迷惑をかけてしまうといった問題が依然として数多く生じています。このような状況を受け、改正動物愛護管理法は、動物の飼い主に対し、その動物が命を終えるまで適切に飼って養う終生飼養の責任があることを明確にしました。あわせて、無責任な飼い主に対し、自治体が犬、猫の引き取りを拒否できるようにする基準も設けました。 そこで、今回の法の改正内容について県民に周知し、終生飼養の理念をしっかりと啓発することが基本と考えますが、周知啓発方法についての県の見解をお伺いいたします。 また、本県における犬、猫の引き取り拒否についてはどのように運用されるのかについてもあわせてお伺いします。 譲渡会を視察した後、動物管理所の施設を見せてもらいました。既に三十年たっているそうで、老朽化が激しく、犬や猫を入れるケージも狭く感じています。奈良県や和歌山県、近いところでは熊本県の動物管理所は、新しく更新され、多くの方々が譲渡会に参加していると聞きました。 犬や猫などの動物愛護の拠点施設として動物管理所の更新を考える時期に来ているのではないかと考えますが、いかがでしょう。 ○田中利明副議長 冨高生活環境部長。 ◎冨高松雄生活環境部長 まず、県動物管理所での犬、猫の収容についてお答えします。 犬、猫の譲渡会の成果についてです。 昨年十月から本年八月末までの間、動物管理所では、犬百一頭、猫四十四匹を譲渡しております。また、獣医師会の支援を受け、本年六月末時点で、犬五十九頭、猫十六匹が避妊去勢手術を受けています。 行政、獣医師会、動物愛護ボランティア三者が協力した譲渡や避妊、去勢は、動物愛護を進め、殺処分を減らす手法として重要であり、今後とも積極的に推進してまいります。 今後の対策ですが、動物の愛護及び管理に関する法律では、犬、猫の避妊、去勢については飼い主の責務となっておりますことから、飼い主に対し、避妊、去勢を実施するよう、飼育講習会等を通じて引き続き周知啓発をしてまいります。 今後とも、犬、猫の殺処分数を減らすため、獣医師会、動物愛護ボランティアと連携して、犬、猫の譲渡を進めてまいります。 次に、改正動物愛護管理法への対応についてです。 まず、周知啓発についてですが、動物取り扱い業者及び飼い主に対して、法改正の内容や終生飼養の徹底に関するパンフレットを活用して、しつけ教室や講習会等さまざまな機会を利用して周知啓発を行っているほか、広く県民に対しましても、ラジオでの広報や動物ふれあい教室、動物愛護フェスティバルなどの行事を通じて周知啓発を行っております。 また、本年度中に大分県動物愛護管理推進計画について、終生飼養等の徹底を盛り込むこととしており、その周知もあわせて行ってまいります。 引き取り拒否の運用についてですが、法令では、犬、猫の引き取りを拒否できる場合として、犬、猫等販売業者から引き取りを求められた場合、引き取りを繰り返し求められた場合、老齢または疾病を理由として引き取りを求められた場合などが規定されておりますから、これらに基づき適切に運用してまいります。 次に、県動物管理所の施設についてお答えします。 動物管理所は、当初、狂犬病予防法に基づいた抑留所として設置しました。しかし、その後の飼養形態や飼い主の意識の変化、動物愛護法の改正により、新たに犬、猫の譲渡会の開催や適正な飼育に向けた講習会の実施などの機能も担うようになりました。 法改正に伴い、終生飼養など動物愛護を一層進めるとともに、譲渡会等を実施し、殺処分数を減らすことが求められていますが、現行の動物管理所は、一時保管する設備はあるものの、長期間飼育する施設としては必ずしも十分ではありません。今後、動物管理所や保健所における飼育体制や譲渡方法等の検討が必要となります。 そこで、今年度、動物愛護関係者、教育関係者、獣医師等で構成する大分県動物愛護推進体制あり方検討会を新たに設置し、動物愛護の普及啓発のあり方、譲渡のための飼育体制や方法等、今後の動物愛護を進めるための必要な体制について検討しております。 以上でございます。 ○田中利明副議長 原田孝司君。 ◆原田孝司議員 ぜひ前向きな検討をよろしくお願いしたいというふうに思います。 次に、公的備蓄について質問したいと思います。 東日本大震災から、きょうで二年半たちました。まだ多くの方々がふるさとに帰れない等も続いていますけれども、ぜひとも一日も早い復旧を祈念するところであります。 この大震災は、津波など自然災害の恐ろしさ、防災、減災の重要性など多くのことを示唆するものとなりました。 私は、第一回定例会で広域防災拠点について質問させていただきましたが、今回、防災備蓄について質問いたします。 実は、けさの新聞でそのことは取り上げられていまして、ごらんになったんではないかと思いますが、県や県内の自治体では、防災倉庫などに現物を備える、いわゆる公的備蓄が進んでいると思われますが、県全体としてどのような目標を設定し、どのような現状であるのか、さらに課題をどのように認識しているのか、お尋ねしたいというふうに考えます。 また、県は、災害時の必要物資を確保するために、平成十八年に県内のスーパーマーケットやコンビニエンスストア等と災害時における生活必需物資の供給に関する協定を結んでいます。いわゆる流通備蓄と言われる方法であります。この方法は、備蓄物資が新しいものに更新されるため、使用期限到来に伴う更新が不要となり、更新に伴う経費の節約、さらには備蓄物資保管に係る倉庫の確保が不要であるといったメリットがあり、公的備蓄とあわせて重要な備蓄であると私は考えています。 ただ、この東日本大震災のときもそうですけれども、実際の運用となると大変混乱するのではないかというふうに考えるんですが、事前にどのような協議及び訓練を行っているのか、伺いたいというふうに思います。 次に、家庭における備蓄についてお尋ねします。 今回、県議会の議員の多くの方々、防災士の資格を取られました。私も二月に受講したんですが、そのとき、自分の命は自分で守るという自助の大切さを改めて認識しました。まず、自分の身を守るために、日ごろから身の回りの備えを行うことが重要だなというふうに考えたわけであります。 その中で、各家庭でも現在、いろんな備蓄というものはされているんじゃないかというふうに思います。私の家でもしてるんですが、なかなかうまくできてないのも現状であります。 各家庭での非常備蓄の現状と普及啓発についてどのように考えているのか、お答え願いたいと思います。 ○田中利明副議長 平原福祉保健部長。 ◎平原健史福祉保健部長 私からは、公的備蓄についてお答えをいたします。 県では、東日本大震災等を踏まえ、最大避難者数を十八万人と想定し、三日分の備蓄を自助、共助と公助で整備することとしています。 このうち公助につきましては、二日分を備蓄することとし、流通備蓄と現物備蓄でそれぞれ一日分を確保することとしています。 現物備蓄につきましては、主食、副食各五十四万食、保存飲料水二リットルペットボトル換算で二十七万本、毛布三万枚を、県と市町村とで計画的に整備することとしています。 二十五年三月末現在の現物備蓄量は、主食が十七万八千食、副食二万九千食、保存飲料水一万九千本、毛布二万八千枚となっています。 このほか、要援護者用物資としての粉ミルクやおむつ、衣類や日用品等さまざまな物資を地域の実情に応じて備蓄しているところでございます。 今後は、必要量の確保に努めますとともに、保管場所や供給体制の整備について、引き続き市町村と連携しながら取り組んでまいります。 以上でございます。 ○田中利明副議長 冨高生活環境部長。 ◎冨高松雄生活環境部長 私からは、流通備蓄と家庭備蓄についてお答えします。 まず、流通備蓄についてです。 県の災害対策本部では、災害の発生に備え、食料品や飲料水、日用品などの生活必需品を確保し、供給できるよう、十五の企業、団体と災害時における生活必需物資の供給に関する協定を締結しています。 協力企業とは、お互いに連絡責任者を確認するとともに、毎年四月末までに供給可能物資とその数量を報告いただいており、一日に必要な量を確保できる見込みであります。災害発生時には、その報告を目安に物資の供給を要請いたします。 また、物資の運搬についても協力を求めることができる旨を定め、その際には、当該車両を優先車両として通行を支援することとしております。 こうした協定の実効性を担保するため、今年度の総合防災訓練において、一部の協力企業の参加を得て、店舗から避難所への搬送訓練を行うことを検討しております。 次に、家庭における備蓄についてです。 県では、さまざまな災害への備えとして三日分の備蓄を呼びかけています。今年度も、流通備蓄の協力企業の店舗に防災グッズの特設コーナーを設置していただく「防災グッズフェア」の実施に加え、防災関係イベントでの家庭用備蓄物資の展示や試食コーナーの設置によるPRのほか、広報誌やラジオ番組等を活用した広報などにより備蓄の必要性についての啓発に努めております。 家庭備蓄の現状についてですが、県内の状況を調査したものはありませんが、民間企業が今年六月に行った調査では、防災備蓄用ペットボトル水を保存している家庭は四五・八%で、昨年よりは一〇%ほど減少したという結果もありますことから、関係部局と連携しながら取り組みを強化してまいります。 以上でございます。 ○田中利明副議長 原田孝司君。 ◆原田孝司議員 ありがとうございました。 六番はできませんでしたが、次回にさせていただきます。(拍手) ○田中利明副議長 以上で原田孝司君の質問及び答弁は終わりました。油布勝秀君。  〔油布議員登壇〕(拍手) ◆油布勝秀議員 皆さん、こんにちは。八番、自由民主党・無所属の会の油布でございます。 質問のチャンスを与えていただきまして、先輩、同僚議員の皆さん、ありがとうございます。 執行部の皆さん、明快なる答弁をお願い申し上げます。 最初に、地域の伝統文化について。 六十五歳以上の高齢者が半数以上を占める集落は、一般的には「限界集落」と言われています。県当局はこれを「小規模集落」と言いかえていますが、これでは、面積的に小さな集落というイメージにとまっており、問題の本質をそらしているようにも感じます。なぜ「限界集落」ではいけないのでしょうか。こういった地域は、毎日の食事や買い物、移動など、そこに暮らす人々の最低限の生活すら維持できなくなりつつある共同体という意味で、やはり「限界集落」なのではないでしょうか。 古来、日本は、人々が支え合って生きてきました。新しくは地域コミュニティーなどと呼んでいますが、要は、日本人の知恵として、また、生きるすべとして、支え合いながら機能してきた地域社会があちこちにありました。 本県では、平成十七年度をめどとして、平成の市町村大合併を進め、その成果として、かつての五十八市町村が、何と十八市町村にまで減りました。全国的にも高い合併率です。 しかし、ある町長は、当時を振り返って、「県当局からの圧力は激しいものでした。私は合併に絶対反対で、町民の多くも反対でした」と話しています。それでも、県執行部が何度も訪れ、合併特例債などで町のインフラが進み、住民は住みよくなるということで強圧的に合併を迫り、とうとう屈してしまったといいます。町民の多くは、「やはり合併しない方がよかった」と嘆いているのが現状です。 確かに、財政的には大変な効率化が図られたでしょう。しかし、その陰で、地域では悲しい出来事が起こっています。 例えば、杵築市と合併した旧大田村は、合併前の人口が千七百人でしたが、現在は千五百人となり、最盛期だった昭和三十五年の四千四百人に比べ、三分の一にまで減り続けています。旧村内には、現在、十四自治区の集落があり、そのうち六十五歳以上の高齢者が半数以上の限界集落は八区、しかも旧村内全体の高齢化率が四八・四六%となっており、地域全体がいわば限界地区とも言える状況となっています。 旧村役場には四十五人ほどの職員がいましたが、現在は、正規職員十一人、臨時職員三人のわずか十四人。かつて地区や集落で祭りなどの行事をする際には、役場の職員が中心となって世話をしてきましたが、最近では人数が足りず、伝統的な祭りや地域行事は、ほとんど行われなくなったそうです。この一年間で三人のお年寄りが孤独死したという悲しい出来事も起こっています。 先日、山口県周南市の山奥の限界集落で五人が殺害されるという悲惨な事件が起こりました。恐ろしいことです。精神を病む者は都会ばかりではなく、こういった深山僻地は、人との接触の機会が限定的になり、同じような事件が起こらないとは限りません。 大分市と合併した旧野津原町も、合併当時の人口五千四百人から、現在では四千七百人にまで大幅に減っています。四十四自治区のうち十四区が限界集落であり、大分市と合併しても限界集落は増加の一途にあります。 合併前の役場職員は八十人ほどでしたが、現在では十一人体制となり、大きく立派な近代的な庁舎はがらんとしています。 合併に際し、町が提示した約三十項目の社会インフラの整備要求については、その後、合併特例債などを使ってほぼ実現はできているようですが、住民の生活はなかなか活気を取り戻せないところです。町挙げての祭りやスポーツ大会など大規模な行事は、町役場の職員の減少に伴い、相次いで取りやめられ、小さなものが多少残っている程度といいます。 町外に出た若者も祭りなどの折には帰省したりしながら、ふるさとを思う気持ちを持ち続けてきたわけですが、そんな若者も減る一方で、地域の伝統文化は風前のともしびです。このような状況は、他にも県内あちこちで見られるのではないでしょうか。 文化というものは、地域に住む人たちの信仰や娯楽の類いが昇華して次第に形づくられ、発展し、継承されていくのではないでしょうか。 県は、市町村合併や行財政改革などを通じて、財政効率化の面では大きな成果を残しました。ただ、その成果を財源として、地域にもっともっと還元すべきではないでしょうか。目に見える物の豊かさのみならず、精神的なよりどころ、人がつながる地域社会の提供にも力を入れていただきたいと願います。 近代的な県立美術館も大分市のホルトホールもいいでしょう。しかし、同じ納税者であっても、生涯見ることも行くこともできず、ひっそりと終わりを迎えていく多くの人々がいることも、行政は顧みる必要があるのではないでしょうか。 市町村合併後の地域社会において貴重な伝統文化が失われつつある現状に思いをはせて、早急に対策を講ずべきと考えますが、知事のお考えを伺います。 これから先は対面でさせていただきます。  〔油布議員、対面演壇横の待機席へ移動〕 ○田中利明副議長 ただいまの油布勝秀君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。  〔広瀬知事登壇〕 ◎広瀬勝貞知事 油布勝秀議員におかれましては、少子・高齢化や過疎化によって衰退していく地方の集落のことを心配され、地域の伝統文化の継承についてご質問を賜りました。私の方からまずお答えさせていただきます。 お話のとおり、少子・高齢化、過疎化の進行によりまして小規模集落は年々増加しておりまして、本年三月末には、県内自治区の一六・五%を占める状況になっております。県といたしましては、小規模集落対策を県政の重点課題と位置づけまして、施策を総動員して対処してきたところであります。 議員におかれましては、合併が引き金となって人口が減少し、地域が疲弊したかのようなご指摘がありましたけれども、合併以前から周辺部の多くは、少子・高齢化による地域活動の低下や、あるいは集落機能の維持、生活交通手段の確保などさまざまな懸案を抱えていたところであります。むしろ、少子・高齢化が進展する中で、そのまま何もしなければ財政悪化などにより行政サービスの水準が維持できず、苦渋の選択ではありましたけれども、合併の選択は正しいものであったというふうに考えております。 県といたしましては、合併による産業活動の低下や地域の疲弊など住民の不安解消に向けまして、農林水産業の振興だとか、あるいは生活道路の整備だとか、地域文化の維持などに、年間三百億円を超える周辺部対策を重点的に講じてきたところであります。さらに、地域の中核的な産業を興して、新たな雇用を創出する取り組みを総合補助金で手厚く支援することで、年間三百人余りの地域雇用と八億円を超える地元調達を生み出してきたところであります。 地域の伝統文化につきましても、近年休止しておりました佐伯市宇目の木浦すみつけ祭りや竹田市矢原地区の小松明祭りの再開など、伝統行事の維持、継承をさまざまな地域で支援することによりまして、住民相互のつながりを深め、コミュニティー活動の強化に努めてきたところであります。 しかしながら、近年では、山村や離島地域など小規模集落に至っていない地域でも、同様に集落機能の低下が懸念されるなど新たな課題も生じていることから、支援地域を山村や離島地域にも拡大いたしまして、補助率や補助限度額の拡充、予算額の大幅な増額を図っているところであります。 さらには、総合補助金においても、地域のさまざまな活動に積極的に取り組めるように、補助限度額の拡大や複数年支援制度の導入などの改善を図ってきたところであります。 油布議員がご指摘のとおり、少子・高齢化、過疎化の振興によりまして、やはり集落の疲弊というのはますます加速していくんではないかと心配をしております。その点では大変重要な課題でありますので、これからも地域住民が安心して自分のふるさとで暮らしていけるように、地域の伝統文化の継承も含めまして、本庁はもとより、六つあります振興局、あるいはまた、土木事務所等地方機関の力も総動員しながら対策を講じていきたいというふうに考えているところであります。 ○田中利明副議長 油布勝秀君。 ◆油布勝秀議員 ありがとうございました。 知事も心配されているように、非常に私は、市町村だけでなくて、そういう大事なことを忘れていくんじゃなかろうか、置き去りにされていくんじゃなかろうかと心配しております。今後とも引き続きよろしくお願いします。 それでは、次には、教職員給与と定数について伺います。 かつて本県は、自他ともに認める教育県として誇るべき実績を残してきました。ところが、教職員採用をめぐる不正事件の後味の悪さがいまだに尾を引くように、採用試験の手続ミスや教員の不祥事などの報道が昨今も相次いでおります。 本県の教育行政にはまだまだ多くの課題が山積していることがうかがえますが、私は、学校現場の教員について、私の視点で問題を提起したいと思います。 教員の職務を定めた「教職員の校務の範囲」という通達が昭和四十年代に発出されました。これは、かねてから教職員には勤務時間の区切りがなく、結果として、二十四時間、学校用務に拘束されて、半ば過重労働となっていた状態を解消するために定められたものです。このことは、明治以来、聖職とされてきた学校の先生が労働者に位置づけられたことを意味する大きな転換点という側面を持っています。 しかし、勤務時間を何時から何時までと定め、仕事が残っていても何時までには学校を後にするという仕組みに変わったとはいえ、現実のところ、大方の先生方は、帰宅後も持ち帰った仕事を夜遅くまでかけて処理しているという声が聞かれます。つまり、結局のところ、勤務時間というものが形骸化されているわけです。 また、教員の異動基準があり、小学校の場合、新規採用者は、出身地以外の学校に三年間勤め、この後、出身地に戻って、六年ごとに他校に移ったり、再び出身地以外の地域の学校へ転任することになっているそうです。その結果、卒業生がかつての恩師に会いたくなった、あれこれ相談したいと思っても、その教員は既に母校を去り、他の学校に勤務しているということがほとんどです。中には、近年の少子化、市町村合併などによって学校そのものが統廃合や廃校となり、存在しないというやむを得ない現実もあるにせよ、本来、教師冥利に尽きるはずの教え子たちとのきずなが希薄になってしまっているのです。 また、かつて先生方は、それぞれ情熱を持って、児童生徒と体ごとぶつかりながら、懸命に教育に当たっていました。しかし、最近では、こうした熱心な先生ほど、変わり者のレッテルを張られてPTAの俎上にのせられてしまい、子供たちの教育に打ち込めなくなる懸念から、先生方は総じて事なかれ主義に陥ってしまいがちです。 また、最近では、体罰は犯罪として刑事事件に発展することも多くなっていますが、体罰を一律に悪だと決めつけてよいものでしょうか。親でも子供をしかるときにげんこつを落とすぐらいは、どこの家庭でもやっていたはずです。体に障害が残るような話は論外としても、体罰のあり方をいま一度、深い観点から見直す必要があると考えます。 以上、今回も遠慮なく私見を述べましたが、未来を担う子供たちにとって、よりよい教育環境の提供を切に願いながら、教員の現状等について伺います。 田中角栄内閣の時代に人材確保法が制定され、教職員の資質の向上を図るため、教職員の給料には一定の優遇措置がとられましたが、その後、現状はどうなっているのでしょうか。 また、かつて本県が教育県と呼ばれた時代には、国のひもつきでない、県費単独負担の教員もかなりいたわけですが、児童生徒の減少に伴って教職員定数を機械的に削減するのではなく、本県の教育環境に応じて児童生徒をきめ細かくケアしていく配慮が必要です。 そこで、時代や社会が求める教育や学校現場のニーズを踏まえ、指導体制を工夫しながら、県費単独負担の教職員を適正に配置すべきと考えますが、教育長の答弁を求めます。 ○田中利明副議長 野中教育長。 ◎野中信孝教育長 お答えをします。 教員の給与については、現在でも人材確保法の趣旨を踏まえ、義務教育等教員特別手当などによる優遇措置が行われていますが、近年では、めり張りをつけた教員給与体系の確保のため、すべての教員に支給される教員特別手当を縮減する一方で、部活動手当などの増額が行われているところです。 次に、単独措置の教職員の適正配置についてですが、これまでも、小規模校が多い本県の状況を踏まえ、県の単独措置により、複式学級解消のための教員等を配置しています。 今後も、いじめ対策など、引き続き学校の現場ニーズも踏まえ、県単独措置の教員の適正配置に努めてまいります。 ○田中利明副議長 油布勝秀君。 ◆油布勝秀議員 教育長、ひとつよろしくお願いいたします。 次に、学校施設の耐震化について質問させていただきます。 本県にとって、いつ起きてもおかしくない危機として南海トラフ巨大地震があります。阪神・淡路大震災や東日本大震災では、家屋の倒壊によって多数の死傷者が出ました。特に阪神・淡路大震災では、死者の約八割が建物の倒壊によるものとされています。 政府は、昭和五十六年以前に建てられた建物などの建築物について耐震化を指導していますが、児童生徒の学びやでもある学校施設の耐震化について、県内の進捗状況は全国平均を下回っていると聞いていますが、県として現状や要因をどのように分析しているのか、伺います。 ○田中利明副議長 野中教育長。 ◎野中信孝教育長 お答えをします。 本年四月一日現在の公立学校施設の耐震改修状況調査において、県内の公立高等学校の耐震化率は九二・四%と、全国平均の八六・二%に比べ、六・二ポイント上回っているものの、公立の小中学校は八四・九%と、全国平均の八八・九%に比べ、四ポイント下回っています。 なお、県立学校については、高等学校の再編整備計画で廃止予定としたものを除き、耐震化を完了しています。 公立小中学校の耐震化が全国平均を下回っている主な要因は、市町において学校の統廃合が検討されており、耐震工事を見合わせていること、あるいは、財政的、人的な問題から集中的に耐震化を図ることができないことなどがあると聞いています。 各市町では、国の施設整備方針に基づき、二十七年度までの耐震化完了を目指して計画的に対策を実施しているところです。 県教育委員会としては、児童生徒の安全確保は学校運営の最重要課題であることから、市町に対し、現行の耐震化計画をさらに前倒しするよう助言するとともに、耐震化のための予算の確保について国に対し強く働きかけを行ってまいりたいと考えています。 ○田中利明副議長 冨高生活環境部長。 ◎冨高松雄生活環境部長 私からは、私立学校施設の耐震化についてお答えします。 二十四年四月一日現在の私立学校施設の耐震改修状況調査において、県内の私立学校の耐震化率は七三・九%と、全国平均の七五・四%に比べ、一・五ポイント下回っています。これは、少子化が進む中、耐震化費用に対する設置者の負担が大きいことが一因であると考えています。 そのため、県では、二十二年度から耐震補強工事の国庫補助制度に県単独で上乗せ補助を行い、さらに二十四年度からは公立並みの補助率となるよう拡充するとともに、日本私立学校振興・共済事業団の低利融資制度などとあわせて耐震化を促進しているところです。その結果、本年四月一日現在の耐震化率は八〇・六%と大幅に上昇したところです。 学校施設は、児童生徒が一日の大半を過ごす場であり、災害時に生命を守るため安全性の確保は不可欠であることから、今後も引き続き私立学校設置者に対し強く働きかけを行い、公立学校と同様に、二十七年度末までの耐震化完了を目指してまいりたいと考えております。 以上です。 ○田中利明副議長 油布勝秀君。 ◆油布勝秀議員 耐震については、もう皆さんもご存じのとおり、南海トラフ大地震があるということで、特に阪神・淡路大震災のときに家屋の倒壊によって八〇%以上の方が亡くなったということがありますので、特に学校なんかは一番人数も多いところであって、そのような地震が来たときに倒壊して生徒が下敷きになったということにならないように、やはり一日も早くしていただきたいと思っております。 次に、住宅など建築物の耐震改修の前提として耐震診断の実施が必要となりますが、その費用について、他県では、国や県の補助事業によって、一件当たり三千円から五千円の実質負担で、比較的安く診断が受けられるような状況があります。県内では、耐震診断費用の実質的な自己負担はどの程度でしょうか。 また、こういった補助制度の利用率も他県に比べると低いようです。制度が県民に余り周知されていないのではないかと思え、行政側からの積極的な働きかけも必要と考えますが、いかがでしょうか。 ○田中利明副議長 畔津土木建築部長。 ◎畔津義彦土木建築部長 お答えいたします。 まず、耐震診断費用についてでございますが、県では、平成十八年度に木造住宅耐震化促進事業を創設し、昭和五十六年以前に建築された木造住宅につきまして、三万円を上限に、診断にかかる費用の三分の二を補助しているところでございます。 二十四年度に行われた県内の耐震診断費用の標準的な額は約四万七千円であり、自己負担額は約一万八千円でございます。 制度の周知等に関する取り組みでございますが、耐震診断を促進するために耐震・リフォームアドバイザーとして建築士を派遣し、必要な情報提供や助言を行っております。 また、工務店等への説明会を実施するとともに、大分県と広報活動について包括協定を結んでおりますコンビニエンスストア等を通じてリーフレットを配布するほか、ラジオ、新聞等を活用した広報を積極的に行っております。 今後とも、市町村と連携し、住民説明会を随時開催するなど、補助制度の周知に努め、住宅の耐震化促進を図ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○田中利明副議長 油布勝秀君。 ◆油布勝秀議員 部長、よろしくお願いいたします。 それでは、次に、豊後牛の販売戦略についてお伺いします。 昨年、大分県が誇る豊後牛は、全国和牛能力共進会で総合三位という成績をおさめました。「おおいた豊後牛」の面目躍如であります。しかし、豊後牛の全国的な評価は一向に高まっておらず、抜本的な振興策を早急に講じなければなりません。 銘柄としては折り紙つきなのに、全国的な評価につながらないのはなぜでしょうか。九州内では、大分から子牛を供給している佐賀牛や宮崎牛は、東京や大阪などの大消費地にポスターやチラシなどを洪水のようにばらまいています。そうやってブランド化を浸透させ、消費者の認識と評価を高める努力を重ねながら成果につなげています。 豊後牛も、これまで振興策を講じてきたことは承知していますが、目ぼしい成果が出ているとは言えません。 さらに、他県の生産地では、海外への販売戦略も仕立て、積極的に売り込んでいます。 豊後牛も今年度になってタイへ輸出を始めましたが、海外展開への展望も含め、今後の販売戦略についてお聞かせください。 ○田中利明副議長 工藤農林水産部長。 ◎工藤利明農林水産部長 販売戦略についてお答え申し上げます。 本年四月にブランド名を「おおいた豊後牛」に定め、複数あった豊後牛銘柄の八三%を「おおいた豊後牛」に統一したところであります。 また、他産地との差別化を図るため、ライスオイルの給与など、おいしさの指標となるオレイン酸を高める肥育技術の普及や大阪南港市場でのオレイン酸測定体制を整備したところでもあります。 株式会社大分県畜産公社がタイ向け牛肉の輸出可能な食肉処理場となり、六月に初めて「おおいた豊後牛」として輸出をしたところでもあります。 八月のタイプロモーションでは、現地のデパート、レストラン関係者などへ試食宣伝を行い、肉質がよく、おいしいとの評価も得ており、商談に向けた動きも始まったところであります。 今後につきましては、まず、国内対策としては、オレイン酸をセールスポイントに県内外のフェアなどで積極的なPRを行い、銘柄の周知、確立を図っていきたいと思っております。 また、海外対策としては、タイへの恒常的な輸出に向けて、輸出業者と県内食肉業者との協議を進めてまいります。また、香港、シンガポールなど新たな販路についても検討を重ねてまいりたいと考えております。 以上です。 ○田中利明副議長 油布勝秀君。 ◆油布勝秀議員 PRについては、東京の空港におりたら、一番先、大きなパネルに「宮崎牛」と。モノレールに乗ってから、ずうっと行って、浜松町に着きかけたら、また、大きなビルの壁に「宮崎牛」と書いているんです。そこまでどうかなということじゃなくて、私は、やっぱりPRの仕方、宣伝の仕方が、豊後牛は少し、一つ足らんのじゃなかろうか、そういうような感じを受けております。 今回、後から質問しますけれども、やはり飛躍するためには、PRもしながら、今後また公社のあり方についても考えていかなくちゃならないと思います。 それでは、食肉の処理能力について、ちょっと質問させていただきます。 その畜産公社ですが、大分県産の食肉の生産、流通、販売の流れの中で、その処理能力がボトルネックになっているように思います。 近隣県の食肉処理施設の数を見てみますと、宮崎県は、小規模なものも含めると八カ所、鹿児島県には十カ所以上の施設があります。これらに対して本県では、県畜産公社一つだけ、しかも、その処理能力も他県の食肉処理施設と比較して特別に大きいわけでもありません。九州他県では、畜産公社と同等か、それ以上の施設を複数持っています。 単純に施設の数をふやせば流通がふえるというわけでもないでしょうが、施設の処理能力の不足が安定した供給の足かせになっているのも、また事実だと思います。このような現状についてどのようにお考えか、伺います。 ○田中利明副議長 工藤農林水産部長。 ◎工藤利明農林水産部長 食肉の処理能力についてお答え申し上げます。 県においては、食肉処理施設の近代化や衛生面の向上を図るために、これまで統廃合を進めてきたという経緯がございます。三十五年ほど前に、畜産公社一本で処理をするという状況になっております。 この大分県畜産公社の処理能力は、牛が一日当たり六十頭、豚が一日あたり五百六十頭となっております。これに対しまして、平成二十四年度における一日平均の牛の処理頭数は二十六頭、豚の処理頭数は三百九十八頭で、全体の稼働率は約六割となっております。 現施設の課題といたしまして、牛の大型化に伴い、現在の施設では、枝肉のつり下げレーンの高さ不足という衛生上の課題、さらには手狭な作業スペースによる作業効率の低下などの問題を抱えております。また、県内で生産される家畜の集荷力の強化ということも必要でございます。 そのため、県としては、これらの問題点をクリアして、高い衛生基準が求められる輸出にも対応可能な施設のあり方について、引き続き公社や関係団体と検討を重ねていきたいと思っております。 以上です。 ○田中利明副議長 油布勝秀君。 ◆油布勝秀議員 畜産公社の建てかえについては一日も早く、現在いろんな問題があると思いますので、老朽化の関係、特に先ほど部長が言われた衛生面について、国際的に対応できるような、衛生面で出荷ができるように。 それでは、次に、大分県は子牛の供給県として有名ですが、今後は肥育牛の生産をふやしていくように切りかえていくべきではないでしょうか。 自家飼料として、牧草地の形成、畜産団地の造成などによって生産コストを引き下げ、価格的にも国内外の消費地で勝負できるような一大生産革命を目指してもよいと思いますが、このような点を踏まえ、県は、「おおいた豊後牛」の振興策として、生産、流通、販売について、長期的、総合的にはどのように考えているのかをお伺いします。 ○田中利明副議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 ただいま「おおいた豊後牛」の課題につきまして、大変示唆に富むご指摘をいただいた、謹んで拝聴させていただきましたけれども、これからの豊後牛の振興についてどういうふうに考えていったらいいかというご質問でございました。 豊後牛につきましては、全国和牛能力共進会総合第三位という追い風に乗りまして子牛市場価格が回復してきた、それはそれで明るい兆しではないかというふうに考えております。 しかしながら、県内の肉用牛頭数は、中核農家が着実に増頭してはおりますけれども、高齢農家や小規模農家の規模縮小によりまして、平成二十四年から二十五年にかけて、実は五千七百頭減少しているところであります。 また、リーマンショックの影響等で低下した枝肉価格でございますけれども、回復基調にあるものの、まだ以前の水準までは戻っていない状況です。 現在、TPP交渉の動向が注目されておりますけれども、県といたしましては、それはどうなろうと、まずは、持続的で足腰の強い畜産業を構築していくということが何よりも重要だと考えているところであります。 そこで、本年は「おおいた豊後牛」の統一ブランドがつくられたこともありまして、この「おおいた豊後牛」振興元年という気持ちで、ブランドとして定着させるための生産から流通、販売を通した計画を策定して、そして市場を見据えた戦略的な取り組みを強化していきたいというふうに考えております。 第一に重要なことは、生産体制の強化ということではないか。 小規模農家で飼養されている繁殖牛を集約いたしまして、人工授精から分娩、子牛育成、あるいは市場出荷までを行うキャトル・ブリーディング・ステーションの導入などによりまして、飼養管理の効率化と増頭に向けた基盤づくりを推進するということであります。 また、豊かな草地資源を活用したコスト低減と省力化による繁殖経営の安定も不可欠ではないかと思います。 畜産農家の減少等で放牧頭数が平成二十年の四千百頭から千六百頭に減少しました久住飯田地域の遊休草地の有効利用とともに、水田放牧等を推進することによりまして、放牧頭数の拡大とコストダウンに努めていきたいというふうに考えます。 また、マーケットから信頼されるためには肥育牛の質、量の確保が重要でありまして、このため、大規模経営体を中心とした規模拡大によってさらなる頭数の拡大を図るとともに、定期的な画像診断等の指導を強化して、選抜出荷や肥育技術の向上などを図って、購買者が求める高品質な枝肉生産に取り組みたいと思います。 第二に、流通販売対策であります。 県内で生産された和牛肉のブランド力を強化するため、ブランド名を「おおいた豊後牛」に統一しましたけれども、さらに、きょうでございますけれども、四等級以上の高級牛肉を「おおいた豊後牛 頂」に定め、供給販売体制を整えたところであります。 販路を開拓することも大事であります。マーケターを核に県内外で販売を強化するとともに、国外への販路開拓も積極的に行いたいと思います。 来年、牛肉の関税が撤廃される予定のタイで、先般、プロモーションを行いまして、海外でも「おおいた豊後牛」は売れるというしっかりした手ごたえを感じてきたところであります。こうしたマーケット起点のものづくりを進めることで、生産者が元気になって、多くの消費者に支持される「おおいた豊後牛」のさらなる振興を図っていければというふうに思っているところであります。 ○田中利明副議長 油布勝秀君。 ◆油布勝秀議員 ありがとうございました。 本当に積極的に、私は、豊後牛の販売戦略を、県そのものがリーダーシップを図ってやっていただきたい、このように思っております。 それでは、畜産のもう一つの顔として、酪農についてちょっと伺いたいと思います。 本県の酪農家は壊滅の危機に瀕しています。酪農家は、昨今の資源の高騰や円安による飼育コストの増加、乳価の低迷、乳量の低下、三重苦にあえいでいます。その結果、昨年八月に百六十四軒あった酪農家の数は、十七軒減少し、百四十七軒になってしまいました。わずか一年間の間に十軒に一軒が廃業してしまったことになります。繰り返します。この一年間で十軒に一軒の酪農家が廃業に追い込まれました。 酪農関係者と話をしていく中で印象に残った一言があります。「県は、新規就農者には手厚いが、既存の農家には冷たい」との言葉です。これは、酪農家だけではなく、多くの農業関係者が思っていることではないでしょうか。歯を食いしばり耐えてきた農家が農業をやめていく姿を私は幾度も目にしてきました。例えば、子牛の購入の際の補助金をもってみても、他県とかなりの差があります。というよりも、本県のそれは、ないのに等しいものと言えます。 一昨年に行われた緊急乳牛確保対策事業も、無利子であるものの、結局は貸し付けにすぎません。 「補助金で優遇された他県の生産者が優秀な子牛を高値で市場で落札しているのを指をくわえて見ているしかない。せめて子牛にかける保険料と運搬費用だけでも補助してもらえたら助かるな」という声を聞きました。 県酪農業協同組合でもできるだけ酪農家への補助金事業を行いたいようですが、県酪自体が資金難であり、身動きがとれない状態です。 県は、こうした状況をどう考えているのか。さらに、何らかの施策の必要性を感じているのかどうかについてお尋ねします。 ○田中利明副議長 工藤農林水産部長。 ◎工藤利明農林水産部長 酪農家への支援についてのご質問でございますので、お答えをいたします。 県といたしましては、酪農経営の安定と所得確保が何より重要であると考えておりまして、まず、振興局を中心に、各酪農家の経営状況に応じた技術指導とあわせて経営相談にも取り組んでいるところであります。 生乳の生産量を確保するための優良雌牛の導入につきましては、県では、二十三年度に実施した緊急乳量確保対策とは別に、従来から優良乳用雌牛貸し付けを実施しておりまして、二十五年度においても県酪農協が行う初妊牛の貸付事業に必要な原資を貸し付けているところであります。酪農家には、当初の支出がなくて導入ができて、その後の収益から償還をしていただくということで、経営的な負担を軽減できるというメリットがございます。 加えまして、補助事業としては、自家育成牛の保留を促進いたしまして導入経費の節減につながる雌性判別精液の導入や生産性向上対策として取り組む育成牛舎の整備、換気扇などの暑熱対策、乳牛の飼養環境を改善するための牛舎改造などを支援しておりまして、昨年度の九州各県の経産牛一頭当たりの県予算総額を比較してみますと、他県が軒並み数千円程度であるのに比べまして、本県は五万八千円という形で手厚くしております。二十三年度の初妊牛関係の経費を除きましても一万八千円ぐらいになるということで、手厚く対応しているつもりでございます。 また、牛乳の消費が低迷する中、県では、県内乳業メーカーで組織する県牛乳普及推進協議会や県酪農協と連携いたしまして、牛乳の消費拡大にも積極的に取り組んでいるところであります。 こうした取り組みによりまして、酪農家の経営状況に応じた生産性の向上対策の効果が早期にあらわれるよう、県酪農協等関係者と連携をして、今後ともきめ細かな支援をしていきたいと考えております。 ちなみに、こういう厳しい飼料高騰等の状況ということから、ことしの十月からは飲用向けの乳価がキロ当たり五円値上げをされるという状況にもなったところであります。 以上です。 ○田中利明副議長 油布勝秀君。 ◆油布勝秀議員 県酪にとっては、何といいますか、貸し付けしたんですけれども、とにかく三年間か四年間で返済ということになっているんです。この返済について、やはり私は、牛そのものの寿命もあるんですけれども、五年か六年ぐらいしないと返済が非常に不可能だと思っております。今後、そういう問題が多分起こってくると思いますので、前もって県の方からそういう問題について、三年たったら返済になっているんです、乳価で。だから、それを五年ないし六年で返済ができるような形をとってあげないと、今言うように、やめざるを得ないというような形の方が出てくるんじゃなかろうか、また追い打ちをかけるんじゃなかろうかと思っております。だから、そこを県の方が、行政の方が、しっかり県酪と密に話をしながらクリアしていただきたい、このように思っております。 以上です。私の質問はこれで終わります。ありがとうございました。(拍手) ○田中利明副議長 以上で油布勝秀君の質問及び答弁は終わりました。 暫時休憩いたします。     午前十一時五十一分 休憩  -------------------------------     午後一時十八分 再開 ○近藤和義議長 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問及び質疑を続けます。吉岡美智子君。  〔吉岡議員登壇〕(拍手) ◆吉岡美智子議員 皆様、こんにちは。四十番、公明党の吉岡美智子でございます。 本日は、質問の機会を与えていただき、感謝申し上げます。 また、本日は、大変お忙しい中、傍聴に来ていただいた皆様、大変ありがとうございます。 まず、今回の二〇二〇年度東京オリンピックの決定を、ともどもに喜び合いたいと思います。 初めて女子の参加が認められたアムステルダム大会に出場した女子陸上の人見絹枝さんは、女性が肌を見せて走るなとか、女性には体力的には無理などの偏見を乗り越えて、自分でスポンサーを探しながら生きてきました。一九二八年のアムステルダム五輪の陸上八百メートルで銀メダルを勝ち取るなど数々の世界記録を残し、二十四歳で早世しますが、女性の時代の先駆を心より称賛したいと思います。 それでは、質問通告に従って、分割方式で、順次質問させていただきます。 執行部の皆様には、温かく前向きなご答弁をよろしくお願いいたします。 広瀬知事さんは、女性が社会で担う役割を大事にしてくださいますので、初めに、女性の登用について伺ってまいります。 男女雇用機会均等法が施行されてから既に四半世紀以上が過ぎ、雇用者全体に占める女性の割合は四割を超えています。少子・高齢化の進展で労働人口が減少する中にあって、社会の新たな担い手として女性への期待がますます高まっています。 首都大学東京の江原由美子副学長は、「高い教育を受けてきた女性が職場や社会で活躍できる場がないのは社会的損失です。女性が就業することで、税収もふえ、経済力が上がり、消費もふえます。国が福祉、子育て対策に投じる費用の十倍もの経済効果がある」と指摘しています。 政府も、今回の成長戦略のキーワードとして「女性の活躍」を掲げ、国際競争を勝ち抜くためにも女性の視点を生かした商品開発などが期待されています。女性管理職がふえれば、おのずと女性が働きやすい職場となり、仕事と家庭の両立も促進されます。 また、ことし八月には、都道府県警察本部長としては初となる女性本部長が岩手県警に着任しましたが、その際、官房長官は、「適材適所の観点から警察本部長に適任と判断された。女性の活躍を推進していくことは政府の非常に重要な課題の一つ。今後とも取り組んでいきたい」と語っています。 本県では、「安心・活力・発展プラン二〇〇五」により、男女共同参画実現のための積極的な環境整備に向けた取り組みを進めており、その中で、雇用者のうち管理的職業従事者に占める女性の割合を平成二十七年度には七%とする数値目標を掲げているところでございます。 元気で活力ある大分県をつくっていくためには、県はもとより、市町村、民間企業等が相互に連携、協働を図り、管理職への女性登用をさらに促進することが必要であると考えますが、知事のお考えをお聞かせください。 また、政策県庁を目指す県が率先して実績を示していくことにより、民間企業等においても管理職への女性登用が促進され、ひいては元気で活力ある大分県の創造につながると考えますが、あわせてご見解をお聞かせください。 あとは対面席から伺います。  〔吉岡議員、対面演壇横の待機席へ移動〕 ○近藤和義議長 ただいまの吉岡美智子君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。  〔広瀬知事登壇〕 ◎広瀬勝貞知事 ただいま吉岡美智子議員には、女性の登用についてご質問をいただきました。 少子・高齢化、あるいは人口減少が進む一方で、多様な価値観が尊重されるような、さまざま、活力のある社会を実現するというためには、男女がその個性と能力を遺憾なく発揮できることが重要だと思います。女性の就業や登用の促進は、単に労働力の確保というだけではなくて、これまでにない多様な観点からの新しい価値が創造されるなど、元気で活力のある大分県を実現するために大変必要なことだというふうに考えております。 大分県におきましては、「安心・活力・発展プラン二〇〇五」や平成二十三年に策定いたしました「第三次おおいた男女共同参画プラン」におきまして政策・方針決定過程への女性の参画拡大を掲げて、雇用者のうち管理的職業従事者に占める女性の割合について、二十二年度五・八%を、二十七年度には七%にするという目標を設定するほか、県職員の女性管理職への登用なども進めているところであります。 具体的には、女性管理職を積極的に登用している事業者に対しまして顕彰の実施を行ったり、昨年度からは、女性の活躍をテーマにした事業者向けのセミナーを開催するほか、管理職を目指す女性を対象にしましたステップ・アップ講座を実施しているところであります。 しかし、女性の管理職登用につきましては、まだまだ不十分だと言わざるを得ません。企業等に対する役職、管理職への登用に向けた一層の働きかけや、女性管理職の活躍事例の紹介、また、管理職を目指す女性のためのスキルアップ講座の実施などに積極的に取り組んでまいらなければならないと思います。 また、県における女性職員の登用につきましては、平成二十年度に大分県女性職員キャリア形成指針を策定いたしまして、政策立案に参画できる企画・事業部門や、あるいは予算・人事管理部門等に女性職員を積極的に配置するとともに、女性職員のキャリア形成をサポートするため、先輩女性職員が助言、指導を行うメンター制度の導入や女性職員間の情報交換を目的としたセミナーの開催等も実施しているところであります。 私も直接、女性の中間管理職と意見交換を行い、女性ならではの視点から貴重な意見をいただいております。大変頼もしく思うとともに、女性のさらなる参画によって行政の厚みが一層増していくという期待も持っているところであります。 これらの取り組みの成果といたしまして、今年度は、女性の課長級以上の職員の割合は六・六三%というふうになりまして、二十年度の三・九五%からは大きく上昇をしております。まだまだ十分とは言えませんが、二十年度に比べますとだいぶふえてきたというふうに考えております。 また、私どもも、初めて女性が地方の振興局長で出かけるということにもなりまして、活躍を期待しているところであります。 「安心」「活力」「発展」の大分県の実現のためには、行政や民間企業等が連携をいたしまして、それぞれの分野で女性登用に向けた積極的な取り組みを行っていくことが重要だと考えております。 今後とも、あらゆる機会を利用して女性の登用を働きかけ、また、県自身もそれを実践していきたいというふうに考えているところであります。 ○近藤和義議長 吉岡美智子君。 ◆吉岡美智子議員 どうもご答弁ありがとうございました。 今、NHKのドラマで、「あまちゃん」や「八重の桜」が大変好評でございます。女性が活躍すれば、必ずや希望と活気あふれる社会が生まれると感じておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。 それでは、次に、高齢者施策について伺います。 近年では、地球丸ごと高齢化の時代を迎えたと言われ、日本でも年々、高齢化が加速しております。我が国の高齢者を支える人口ピラミッドは、将来的には騎馬戦型から肩車型に変わり、厳しい財政運営が待ち構える中、高齢者施策は施設から在宅への方向性が示されています。 NPO法人「高齢社会をよくする女性の会」の理事長を務める樋口恵子さんは、その著書「大介護時代を生きる」の中で次のようなことを述べています。 「近年、未婚の子である男性が団塊世代となり、親の介護をするようになっている。この世代は、男に介護の介という字に置きかえた「男介の世代」と言いかえられる」「既に現在、全家族介護者の三割以上が男性であると言われ、親の介護で退職せざるを得ない介護離職も増加しており、大変深刻な状況だ」「高齢者虐待の加害者は、男性が七割近く、息子が四割以上を占めている。これは、男性が介護という営みに弱く、虐待の危険に近いことを物語っており、男性介護者に対する相談体制の整備、一層の配慮が必要だ」「ワーク・ライフ・バランスにケアを加えたワーク・ライフ・ケア・バランスの時代が来ている。ケアを、上の世代の老いを支え、下の世代の自立と成長を促す営みととらえ、介護を人々と分かち合い、自分自身の仕事や志と人間関係を失わない生き方が求められる」といった内容でございます。 このような背景も踏まえ、次の点についてお尋ねします。 昨年四月から始まった要介護者の在宅生活を支援する二十四時間定期巡回・随時対応サービスは、家族の介護力が期待できない老夫婦世帯やひとり暮らし高齢者世帯が増加する中、まさに時代の要請であり、利用可能地域の拡大が求められると考えますが、県内の状況と今後の推進計画についてお伺いします。 そして、今後さらに増加が見込まれる男性介護者にあっては、より早い段階から介護を現実問題として意識することも大切であり、自治体や企業など職場単位で介護に関する研修なども受けられる環境が必要かと思いますが、男性介護者への相談体制の整備についてどのようにお考えでしょうか。 また、外出の際、息子さんが介護する母親を女性用トイレに付き添う場合などには、静岡県が考案した介護マーク等があれば、安心して付き添って介護することができるのではないかと考えますが、あわせてご見解をお聞かせください。 ○近藤和義議長 平原福祉保健部長。 ◎平原健史福祉保健部長 高齢者施策について三点お答えをいたします。 まず、要介護者に対する定期巡回・随時対応サービスについてであります。 県では、高齢者ができる限り住みなれた地域で生活できるよう、地域包括ケアシステムの構築を進めております。定期巡回・随時対応サービスは、そのための重要な取り組みの一つとして、そのサービス提供体制整備の促進に努めているところです。 昨年五月から中津市、ことし五月から豊後大野市と、現時点で二市において事業開始されており、今後、佐伯市や臼杵市でもサービスが提供される予定でございます。 また、さらなる利用可能地域の拡大を目指し、市町村職員や介護事業所施設長等の理解を促進するため、先進的な取り組みを行っている事業者を講師とした研修会を先月十八日に開催したところでございます。 こうした中、さきに取りまとめられた国の社会保障制度改革国民会議報告書の中で、本サービスの普及の必要性が明記されたところです。 今後とも、市町村、事業者、ケアマネジャー等関係者が連携して、地域の実情に応じ、定期巡回・随時対応サービスが展開されるよう支援してまいりたいと思っております。 次に、男性介護者への対応についてお答えをいたします。 今後増加することが見込まれる男性介護者への支援は大切なことであると認識をしております。 県では、大分県社会福祉協議会に委託しまして、男性に限定した介護入門教室を年八回開催し、現に介護をしている男性を中心に、毎回、二十名前後の参加がございます。 また、「認知症の人と家族の会大分県支部」に委託をいたしまして、男性介護者の集いを年三回開催し、これも毎回、十名程度の参加がございます。 男性を含め、県民が早い段階から介護の知識、技術等を習得することも大切です。このため、大分県社会福祉介護研修センターで職場や地域単位での研修会の開催を実施しているところであります。 相談体制の整備につきましては、大分県社会福祉介護研修センターにおいて、シルバー一一〇番による相談対応をしております。 また、地域の総合相談窓口である地域包括支援センターを気軽に利用できるよう、例えば、男性介護者を対象とした相談日の設定や、その広報、周知等の取り組みについて、市町村に働きかけてまいりたいと思っております。 最後に、介護マークについてお答えをいたします。 介護マークは、介護する方が周囲から偏見や誤解を受けることがないよう、介護中であることを周囲に理解していただくためのものでございます。 これは、平成二十三年四月に静岡県が独自に作成をいたしまして、その後、同年十二月に厚生労働省から全国に情報提供されたものでございます。 現在、県レベルでは、六県で導入されております。 本県では、厚生労働省からの情報提供を受け、既に市町村へ周知したところでございますけれども、今回改めて周知を図っていきたいというふうに考えてございます。 以上です。 ○近藤和義議長 吉岡美智子君。 ◆吉岡美智子議員 どうもありがとうございました。 さらなる周知をよろしくお願いしておきたいと思います。 在宅介護は、これは男女にかかわらず、外部との接点がないと、介護する人の気持ち次第で、介護される人への対応は異なってくると思います。そこで、介護する人への支援の一つに、介護する人のご苦労に耳を傾けるとか、理解を示すなど、周りの温かいまなざしが大きな支えになると思いますので、この点も研修の中でお願いできたらありがたいと思います。 そして、生きてきてよかったと言える社会を築くためにも、自助や共助はもちろんですが、その上で、公助である制度などもさらなる周知をお願いしたいと思っております。 今、育児はイクメンという言葉が浸透しておりますが、男性介護者はケアメンと言われるようなので、ケアメンも浸透できるようにお願いしたいと思っております。 では、次の質問に移ります。 食物アレルギー対策についてお伺いします。 これは、昨日、馬場議員も質問されまして、重複するところもあると思いますが、改めて質問いたします。 昨年十二月、東京都調布市で給食が原因と思われるアナフィラキシーショックで小学五年生の女の子が亡くなり、学校関係者や家族に大きな不安をもたらしています。 近年、食物アレルギーに悩む子供は増加傾向にあり、東京都が実施した三歳児のアレルギー調査によりますと、二〇〇九年度は一四・四%に上り、十年前と比べて倍増しています。給食が子供の口に入るまで、何人もの先生たちが確認を重ねてミスを防ぐ体制づくりなど、給食アレルギー事故の防止に向けて取り組みの強化が求められます。 大切なのは、文科省の「学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン」と厚労省の「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」に基づく着実な取り組みです。 このガイドラインでは、緊急時には教職員等もエピペンを接種できることを明示していますが、エピペンは、なれていないと、子供自身が嫌がったり、打ってもすぐ引き抜いてしまうこともあり、注射を持つ手に予想以上の衝撃があるともお聞きしており、アレルギー対策充実のためには、学校、保育所でのガイドラインについて、教職員等の共通理解が大事であると思います。 そこでお尋ねします。 エピペンの取り扱いも含めたアナフィラキシーショックへの対応について、例えば、教職員や保育士の実践的な研修のあり方などをどのようにお考えでしょうか、ご見解をお聞かせください。 また、食物アレルギー事故の再発防止に向けた取り組みも重要です。 年間を通じて、アレルギー事故が頻発する時期は、教職員や保育士の異動時期である新年度当初の四月と言われますが、その際にも、かつて事故に見舞われた児童生徒本人の情報が関係者に正確に伝わることによって適切な処置は可能となります。 群馬県渋川市では、「渋川子ども安心カード」を家庭に配布し、保護者が必要な情報を記入の上、学校等で活用されており、仮に救急車等による緊急搬送が必要となった場合も、救急隊にそのカードを示し、適切な連携のもと、迅速な引き渡しがなされています。 本県においても、例えば、高齢者に配布されている医療情報キット「命のバトン」のように、児童生徒にも「大分県子ども安心カード」のような取り組みができれば、迅速な対応が期待できると思います。 そこで、児童生徒の食物アレルギー事故の再発防止に向けて県ではどのように取り組まれようとしているのか、県内での食物アレルギーの実態も踏まえてお伺いいたします。 ○近藤和義議長 野中教育長。 ◎野中信孝教育長 学校関係について、私の方からまずお答えをします。 アナフィラキシーショックヘの対応についてです。 アナフィラキシーショックについては、児童生徒の生命、身体にかかわる重要な課題であると認識しており、議員ご指摘のとおり、文部科学省の「学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン」に基づき、緊急時に教職員が適切な処置を行えることが大切であると考えています。このため、養護教諭や保健主事等を対象にエピペン使用の演習も含めた研修会を開催し、各学校で情報共有を図るよう指導したところであります。 今後、アナフィラキシーショックが懸念される児童生徒が在籍する学校において、医療機関、保護者と連携を図りながら、一人一人の状況に応じた実践的な対応が行われるように指導していきたいと考えています。 次に、食物アレルギー事故の防止についてです。 各学校は、年度当初に全児童生徒を対象に実施する保健調査によりまして、食べ物、昆虫、薬が主な原因となって血圧低下、呼吸困難、意識障害などを引き起こすアレルギー疾患について把握をしておりまして、現在、大分県内の小中学校には、食物アレルギーのある児童生徒が二千四十七名います。 そして、緊急時に迅速な対応ができるよう、把握した情報をもとに、必要に応じて、学校、家庭、医療機関等で事前に協議を行い、児童生徒の個別対応マニュアルを作成し、全教職員で情報を共有しています。 また、保護者の同意を得た上で、消防機関など地域の関係機関に事前に情報を提供するなどの連携も図っています。 今後とも、教職員の共通理解のもと、関係機関との連携強化を図りながら、保健調査票や個別対応マニュアル等を活用した適切な緊急処置が行われるよう指導してまいります。 ○近藤和義議長 平原福祉保健部長。 ◎平原健史福祉保健部長 私の方からは、保育所の関係についてお答えをいたします。 まず、保育所におけるアナフィラキシーショックへの対応でございます。 厚生労働省が策定したアレルギー対策に関するガイドラインについて、その周知を徹底するとともに、県保育連合会とも連携しながら、保育士、看護師、調理員等保育所職員に対して食物アレルギーとその対応について研修を行っているところです。 研修の具体的内容につきましては、現在、専門家である医師等とも相談しながら決定しているところですけれども、今後とも専門家等との連携を図りながら、必要に応じてエピペンの取り扱いを含めた実践的研修の実施など、保育現場において、より迅速で的確な対応が可能となるよう、その内容の充実に努めていきたいと思っております。 次に、食物アレルギー事故の防止についてでございます。 現在、県下の保育所には、食物アレルギーのある子供が千二十人入所しております。 保育所における対策といたしましては、国が示すガイドラインに基づき、アレルギー疾患のため、保育所で特別な配慮が必要となる場合には、保護者からの申し出や主治医からの生活管理指導表等により子供の状況を把握し、緊急時の対応を含め、保育所内で共通理解をすることとしております。 また、国の通知に基づき、エピペン等を処方されている子供の対応について、消防機関と連携し、緊急時に備えるなどの対応を行っているところです。 食物アレルギー事故の防止は、何よりもガイドライン等に沿った保育所の取り組みが重要であり、県といたしましては、研修や監査等を通じ、引き続き保育所を指導してまいります。 以上でございます。 ○近藤和義議長 吉岡美智子君。 ◆吉岡美智子議員 どうもありがとうございました。 今、アレルギーを持つ子供たちもふえておりますので、念には念を入れて、事故の起きないような配慮、これはもう本当に求められると思いますので、現場でも大変だと思いますが、さらなる取り組みをよろしくお願いしておきます。 では、次に、県立病院の改修について伺います。 これは、昨日、小嶋議員も質問しておりますが、改めて私の方からも質問させていただきます。 県立病院は、県内全域の地域医療の中核として、県民にとって、なくてはならない医療施設でございます。しかし、県立病院も築二十一年が経過しました。交通インフラ整備と同じように、これからの公共施設は、いかに維持管理しながら施設の長寿命化を図っていくかが大事であると思います。 今議会に、県立病院大規模改修工事の設計費について補正予算案が提案されています。事業概要では、病棟などの給排水設備等の改修に加え、医療環境の変化や患者ニーズの多様化等に対応するための大規模改修に向けた実施設計を行うとなっています。 今回の大規模改修に当たり、これまで寄せられた利用者からの意見や、地域医療の中核施設としての課題、あるいは県民の関心も高いがん医療などの機能強化について、県立病院はどのように認識し、対応しようとしているのでしょうか。また、改修後も引き続き課題となるものにはどのようなものがあるのでしょうか。 さらには、現状を見ますと、病院利用者からの相談体制においては、そのプライバシーが十分に守られていないのではないかと私は感じていますし、近い将来には南海トラフ巨大地震なども想定される中、医薬品や資機材の備蓄もさらなる充実が求められます。また、いざ工事に着手するに当たっては、入院患者さんや外来の方々の利用に支障を来さないための配慮も欠かせません。 こういった点も含め、具体的な改修計画の内容と、改修に必要となる全体予算についてもあわせてお聞かせください。 ○近藤和義議長 坂田病院局長。 ◎坂田久信病院局長 県立病院の改修につきましてお答えいたします。 今回の改修は給排水設備等の改修を主な目的としておりまして、工期は平成二十七年から五年間、改修費用は基本設計段階の概算で三十五億円程度を見込んでおります。詳細は、今後の実施設計によることになります。 改修に当たりましては、利用者の要望等を踏まえまして、待ち時間短縮に向けました外来診察室の増設や個室によるプライバシー確保など、患者サービスの向上を図ることとしております。 がん医療は、抗がん剤治療の進歩などによりまして、安心して通院治療が受けられるようになりまして、外来患者が増加したことから、外来のがん治療体制を拡充したいと思っております。 また、基幹災害医療センターとしまして、医療用災害物資の備蓄スペース拡充などもあわせて予定しております。 工事中は、利用者に極力支障が出ないよう病棟や外来機能を維持するとともに、騒音防止にも配慮したいと思っております。 今後も引き続き、医師、看護師確保が問題でありますが、高度専門医療や政策医療に取り組み、県民医療の基幹病院としての役割を果たしていきたいと思っております。 ○近藤和義議長 吉岡美智子君。 ◆吉岡美智子議員 ご答弁、ありがとうございました。 県民の健康についても、さらなる取り組みをされると思いますので、よろしくお願いいたします。 次の質問に参ります。 PM二・五対策について伺います。 この春、大気汚染の原因となる微小粒子状物質のPM二・五が九州、山口地方において高い濃度で検出されました。PM二・五は、ぜんそくや気管支炎を悪化させるなど呼吸器系や循環器系への悪影響も指摘されており、特に九州地方は、発生源とされる中国などにも近く、海を越えても高濃度のままで運ばれてくることが多いと言われています。 春先には、各自治体の濃度予測を参考にしながら、運動会などの中止、延期の判断をされた地域も多かったそうですが、今後も、日本には秋から冬にかけて再び飛来するであろうと報道されております。 また、同じ秋つながりですが、七月上旬に我が党所属の環境省の秋野公造政務官が来県された際、県当局は、PM二・五対策に係る国の支援の充実を直接要望されたとお聞きしております。 そこで、二点お伺いいたします。 現在、県内でのPM二・五の測定地点は大分市以外は三カ所となっておりますが、常時監視体制も必要と思われる中、現状において、県内全域での飛散情報が十分に収集できているのでしょうか。 秋にはまた、多くの学校で運動会が開催されますが、県として、屋外行事等への影響を判断するための基準を設けているのでしょうか。県民へのPM二・五の注意喚起も含めて、どのように対応されるのか、お伺いします。 ○近藤和義議長 冨高生活環境部長。 ◎冨高松雄生活環境部長 PM二・五対策についてお答えします。 県では、大陸からの越境大気汚染の問題が顕在化した後、本年二月に日田市、四月に中津市及び佐伯市に測定局を設置し、大分市設置の七局も含めて、県ホームページにリアルタイムで測定値を公開しています。 今後、これらの測定局のデータ等を踏まえ、新たな測定局の設置の必要性を検討してまいります。 次に、屋外行事等の判断と県民への注意喚起についてですが、注意喚起の発令基準は、国の基準に加えて、より厳しい県独自の基準を設けています。 発令時には、学校等に確実に情報が伝わるように、県及び市町村の二つのルートにより、屋外での長時間の激しい運動をできるだけ減らすことなどを呼びかけています。 これまでに二回、県独自の基準により注意喚起を行いましたが、地元自治体は防災無線により、テレビ局はテロップ等で速報したほか、安全・安心メールや県のホームページでも注意喚起を行いました。 今後も、PM二・五に関する正確で迅速な情報提供に努め、県民の安全、安心を確保してまいります。 以上でございます。 ○近藤和義議長 吉岡美智子君。 ◆吉岡美智子議員 ご答弁、ありがとうございました。 風向きや降雨などの気象条件、地形などを十分に考慮し、きめ細かい観測体制をとっていただきますよう要望しておきます。 では、次に、再生可能エネルギーについて伺います。 東日本大震災以降、原発再稼働の是非も含めた大きなエネルギーシフトが注目されていますが、地球環境に負荷を与えず、国民のエネルギー需要を満たしながら我が国経済の発展にも寄与していくには、再生可能エネルギーの開発が期待されます。 幸いにも、我が「おんせん県おおいた」には豊富な温泉の恵みと地熱発電の実績があります。本県の再生可能エネルギーは、自給率、供給量ともに日本一です。去る五月には、安倍総理も別府市を訪れた際、温泉蒸気や熱水を利用した湯煙発電施設を視察されました。 しかしながら、平時の家庭や職場はもとより、災害時において、住民が生活をともにする避難所などにおいても電気は必要不可欠ですが、現状では十分な備えがないと思います。 そこでお尋ねします。 再生可能エネルギーの普及拡大について、問題点、効果、今後の方向性についてご見解をお聞かせください。 ○近藤和義議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 再生可能エネルギーにつきまして私の方からお答え申し上げます。 昨年の七月でございましたけれども、固定価格買い取り制度が開始されました。その後、大分県では、再生可能エネルギーの導入がさらに加速しているというふうに考えております。 大分市臨海部でございますけれども、豊富な日射量を生かして、国内最大級の太陽光発電の集積が進んでおります。豊後大野市でございますけれども、本県が誇る森林資源を活用する、県内三つ目となる木質バイオマス発電所の建設計画が発表されております。また、九重町では、新たな地熱発電設備の設置や既設発電所の増強の計画があるというふうに聞いております。 他方、こんなことで再生可能エネルギーの導入、大変活発になってきておりますけれども、幾つかの課題もあるわけであります。 まず一つは、規制緩和の問題であります。 先般、安倍総理が視察に来られた際にも要望があったんですけれども、温泉熱発電における専門技術者の選任制度というのがありまして、それがいろんなところに温泉熱発電をつくる障害になるんじゃないかというようなこと、それから、小水力発電における水利権の取得手続、これも大変煩瑣な手続になるわけですけれども、これの簡素化といった規制緩和の課題があるようであります。 また、再生可能エネルギーの大量導入が進む地域では送電網の増強も必要になってくるといったような、インフラ面からの制約もあるわけでございます。 ところで、お話がありましたような防災拠点における分散型の電源確保につきましては、現在、国の基金事業を活用して、県、市町村の庁舎や避難所などに太陽光発電、あるいは蓄電池を整備しまして、防災機能の強化を図るというようなことをやっております。 今年度、県におきましては、県央空港、あるいは県庁舎別館の二カ所で、市町村におきましては、佐伯、臼杵、竹田、杵築、宇佐、玖珠町の六カ所で整備をしております。 こうした課題につきましては、今後も常に目を配りながら、しっかりと取り組んでいきたいというふうに思います。 これからの再生可能エネルギーの普及拡大につきましては、地域に密着したエネルギー供給ということと成長が期待される新しいエネルギー産業の育成といった、この二つの面が大事ではないかというふうに考えております。 地域密着のエネルギー供給という面では、地熱発電など、なかなか事業化が進まない分野の初期投資だとか、あるいはリスク軽減を図るために、県などが出資した「おおいた自然エネルギーファンド」によりまして、各地で発電設備設置の動きを応援するというようなことをやっていきたいと思います。 また、由布市の鳴沢地区では、太陽光発電の共同設置によりまして、売電収入を都市との交流事業など地域おこし活動に役立てる取り組みも始まっております。こういった地域密着でのエネルギー供給の開始ということが一つ。 それから、もう一つは、エネルギー産業の育成ということも期待されるわけですけれども、この面では、地場企業のすぐれた技術を活用した湯煙発電や清流発電などがいよいよ来年度には全国展開という状況になってまいりました。 今後も再生可能エネルギーの導入拡大を図って、地域の安心と発展、産業の活力創造につなげていきたいというふうに考えております。 ○近藤和義議長 吉岡美智子君。 ◆吉岡美智子議員 力強いご答弁、ありがとうございました。 再質問を一点させていただきます。 再生可能エネルギーを活用するため、昨年度に国の交付金七億円を受け入れた県の基金がありますが、国に対しては交付金の追加配分を求め、事業のさらなる促進を図るべきと考えております。基金の今後の執行見込みを生活環境部長にお伺いします。 ○近藤和義議長 冨高生活環境部長。 ◎冨高松雄生活環境部長 県においては、先ほど議員もおっしゃいました基金を活用し、南海・東南海トラフを震源とする巨大地震に伴う津波など災害時の電源確保のため、平成二十八年度までに、県、市町村の庁舎や消防署等の防災拠点十三カ所を整備する予定をしております。 しかしながら、さらに多くの避難所等になる公共施設などの防災拠点の整備をしていくことが本県の防災力の向上には必要と考えており、引き続き国に対して基金の追加要望を行ってまいりたいと考えております。 ○近藤和義議長 吉岡美智子君。 ◆吉岡美智子議員 よろしくお願いします。 では、次に、防災減災対策について伺います。 昨年十二月、中央自動車道の笹子トンネルで天井板崩落事故が起きました。 先月、NHKスペシャルで「日本のインフラが危ない」が放送され、老朽化対策に苦労する自治体の声が紹介されていました。古くなったトンネルの上部に空洞が生じ、そこから崩落が生じる危険性が指摘され、インフラの安全を支える維持管理や安全性を向上するための方策など大変考えさせられる内容でございました。 トンネルの点検には整備当時の発注図面が必要となりますが、かなり古いトンネルの場合には、残念ながら管理する自治体にも保管されていないケースもあるようです。 そこで、県内のトンネルについて、直近の点検調査状況をお伺いするとともに、調査の結果、危険度の高いものがあるのか、また、今後どのように対応されるのか、お聞きいたします。 あわせて、古いトンネルなどの発注図面がない場合、その点検には支障がないのか、伺います。 重大な災害が起こるおそれが大きいことを知らせる特別警報の運用がこの八月三十日から開始されました。県からは市町村への連絡、また、市町村には、その警報を速やかに住民に知らせることが義務づけられました。 県は、この特別警報の制度運用開始をどう受けとめ、また、各市町村との連携をどのように考えているのでしょうか、見解をお聞かせください。 防災や災害時の情報発信に特化した防災ツイッターを運用する自治体が九都道府県に広がっているとの新聞報道がありました。 本県で運用されている防災メールでは、最近、今までに経験したことのない大雨予測等も情報提供されるようになりました。多くの県民に防災関連情報が速やかに提供されることは大切です。県では、防災ツイッターの運用についてどのようにお考えでしょうか、ご見解を伺います。 文部科学省が発表した昨年度四月一日時点の公立学校の耐震状況では、県内では震度六強以上で倒壊する危険性が高い建物は三十一カ所、四十棟となっており、公立小中学校の耐震化率は、全国平均八八・九%に対し、県内は八四・九%と低くなっております。 大地震で倒壊の危険性が高い施設を有する学校の現状と今後の対策について、午前中の質問で油布議員からもありましたけれども、あえて再度お願いしたいと思います。公立、私立ともにお尋ねをしたいと思います。 また、非構造部材の一つであるつり天井は、東日本大震災で大きな被害を招きましたが、学校における現状と対策をお聞かせください。 ○近藤和義議長 畔津土木建築部長。 ◎畔津義彦土木建築部長 私からは、トンネルの老朽化対策について、まずお答えいたします。 県では、アセットマネジメントの取り組みとしまして、平成二十四年度からトンネルの一巡目の定期点検を実施しております。二十五年度末までに、県が管理する二百四十九のトンネルで、コンクリートのひび割れや浮き、剥離、あるいは漏水の有無について、目視またはハンマーによる打音検査等の定期点検を終えることとしております。 二十四年度に点検しました六十のトンネルのうち、比較的大きなひび割れなどがあり、早急に対策が必要なトンネルが六ございました。これらにつきましては、空洞調査も含めた詳細な調査や対策の検討を進めているところでございます。 これまでも日常の道路パトロール等で変状の見つかった二十九のトンネルについて、補修、補強を行ってまいりました。 発注図面につきましては、ない場合でも、維持管理に必要な構造形式などを記載した台帳があり、トンネル点検には支障はございません。 今後も、着実に点検を行い、適切な維持管理に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○近藤和義議長 冨高生活環境部長。 ◎冨高松雄生活環境部長 まず、気象庁の特別警報についてお答えします。 特別警報は、数十年に一度の豪雨などが予想される場合に発表され、自治体等の防災関係機関には最大限の防災対策を求めるものであり、被害を抑制する上で極めて重要な情報と認識しております。 特別警報が発表された場合、県は直ちに災害対策本部を立ち上げ、最大の体制を整え、全庁で災害対応に当たります。 発表を受け、県は直ちに市町村に一斉に通知しますが、大事なことは、市町村による迅速な住民避難等の措置です。 大分地方気象台に職員派遣を要請するなど連携を密にし、市町村に避難勧告等の発令に必要な、より詳細な気象情報を提供するほか、住民への伝達方法として、統一したサイレンによる周知を徹底してまいります。 県としても、特別警報について、県民安全・安心メールの配信や県庁ホームページヘの掲載等により、広く県民に周知してまいります。 今後とも、市町村を初め、防災関係機関と密接に連携し、災害への対応に万全を期してまいります。 次に、防災情報の提供についてお答えします。 まず、防災情報提供の取り組み状況ですが、県民の求める気象や避難に関する防災情報を迅速に提供することは、早目の避難など安全、安心の確保につながり、非常に重要です。県民安全・安心メールや県庁ホームページなど多様な手段を活用して、防災情報の提供に努めているところです。 情報の拡散性が高く、携帯電話からもアクセスできるツイッターは、有用な情報発信の手段と考えております。東日本大震災では、地震発生直後の災害情報の発信にツイッターが大きく役立ったと聞いております。 県では、災害時の防災情報の提供を目的の一つとして、平成二十三年九月にツイッターを導入しております。 昨年七月の九州北部豪雨を初めとした豪雨災害の際には、気象や避難、道路規制などの情報のほか、災害ボランティアの募集など、さまざまな災害に関する情報を計二百五十六回にわたり発信するなど、積極的に活用しているところです。 今後とも、県民一人一人の自主的な避難行動につながるよう、広く県民に防災情報を提供できるよう取り組んでまいります。 次に、私立学校施設の耐震化についてお答えします。 まず、耐震化の現状と対策についてですが、私立学校施設においては、耐震診断未実施の建物を除き、大地震で倒壊の危険性が高いIS値〇・三未満の建物は七校、九棟あります。 私立学校においては、財政負担の問題もありますが、順次、耐震化の取り組みを推進しているところです。今年度については、この九棟のうち三校、三棟が耐震化を実施する予定です。 今後とも、耐震診断及び耐震化の早期実施について、引き続き私立学校設置者に対し強く働きかけてまいります。 次に、つり天井の現状ですが、非構造部材のうち、つり天井を有する施設は一カ所であり、既に耐震対策を実施済みです。 以上です。 ○近藤和義議長 野中教育長。 ◎野中信孝教育長 公立学校施設の耐震化についてお答えをします。 耐震化の現状と対策ですが、大地震で倒壊の危険性の高いIS値〇・三未満のものは、県立学校で四校、六棟、市町村立学校で二十七校、三十四棟です。 県立学校については、高等学校の再編整備計画で廃止予定となっているものでありまして、これらの建物については、可能な限り他の校舎等を代用するなどの措置を講じています。 市町村立学校については、一刻も早く耐震化を完了するよう、あらゆる機会を通じて助言を行っているところであります。 次に、つり天井の現状と対策ですが、対策が必要なつり天井は、県立学校で四十三カ所、市町村立学校で三十二カ所でありまして、今後、早急な対策を行う必要があると考えています。 県立学校については、今年度から既に調査に着手をしており、できるだけ早い時期に完了するよう、計画的に工事を進めていきたいと考えています。 市町村立学校については、構造体並みの補助率へのかさ上げを国に要望するとともに、施工方法の情報提供や技術指導を行い、平成二十七年度までに完了するよう助言しているところです。 以上です。 ○近藤和義議長 吉岡美智子君。 ◆吉岡美智子議員 どうもご答弁ありがとうございました。 一点再質問と一点要望をさせていただきます。 再質問です。 先週、埼玉県の越谷市や千葉県野田市などで竜巻が起き、大きな被害が出ました。まずは、被害に遭われた方々に心よりお見舞いを申し上げます。 現地では、女子生徒が異常な光景に自宅トイレに避難しましたが、家は損壊しました。「あと一歩遅かったら」と涙ながらに語るインタビューの中に、このようなコメントがありました。「狭くて柱に囲まれているところ、トイレやおふろ場と聞いたことが頭の片隅にあったので、そこに避難をした」、そのインタビューの内容です。 もう一つは、ある小学校では、近所から竜巻情報が学校に寄せられ、校長先生は即座に教職員に校内放送しました。子供たちを建物内に、そしてカーテンを閉めて部屋の中央に集まるように指示をしました。竜巻が通った後、窓ガラス等も割れましたが、カーテンで遮断され、子供たちには被害は及びませんでした。こういう内容、多くの方が見られていると思います。 そういう意味で、これから竜巻の発生は、地球温暖化が進むと条件がそろいやすくなると言われております。学校での竜巻に関する防災教育、先ほどみたいに、頭の片隅に、竜巻が起きたときにはどうすればよい、そういうことが、子供のやっぱり、聞いた分だけ頭に残るかなと思いますので、そういう意味も含めて、竜巻に関する防災教育もぜひ進めていただきたいと思っておりますので、教育長のご見解をお聞かせください。 そして、学校のつり天井、これは大変危ないので、平成二十七年度までとはなっておりますが、一刻も早く対策を、多分、文科省の方とかは撤去するようにというのが来ているかと思いますので、早い対応をお願いしておきます。 ○近藤和義議長 野中教育長。 ◎野中信孝教育長 県立学校での防災教育、竜巻についてのお話がございました。 現在、各学校では、児童生徒の発達段階に応じまして、また、学校教育全体を通じて、災害時に、みずからの判断で適切に行動できるよう防災教育に取り組んでいます。 火災、そして地震の避難訓練に加え、これまで、学校の立地環境等、地域の実情に応じて、津波とか土砂災害、河川のはんらんなどの訓練も実施してきているところです。 災害そのものについての、発生する仕組み、あるいは近隣の危険箇所等の地域状況については、教育の中で、そして避難訓練も、また地域住民と一体となった訓練をしているところですけれども、議員ご指摘の竜巻について、近年、日本各地で、いろんなところで発生する余地が出てきているということですので、予想される災害の項目の一つに竜巻も入れるような形での防災対策、防災教育を進めていきたいというふうに思います。 それから、つり天井についてお話ございました。 現在、県の方では、今年度には何とか、県立の施設については、つり天井について、工事を完了させる方向で努力したいというふうにして、今進めております。 市町村につきましては、財政的なところ、人的なところ、いろいろございまして、そもそもが、構造体そのもの、本体そのものの工事がまだ二十六年度までかなというような感じでございまして、このつり天井についても早急にということを引き続き指導していきたいというふうに思います。 ○近藤和義議長 吉岡美智子君。 ◆吉岡美智子議員 どうもありがとうございました。 最後の質問をさせていただきます。 ストーカー規制法、DV防止法の改正を受けた対応について伺います。 去る六月、ストーカー規制法とDV防止法の改正案が国会で成立しました。 我が公明党もその成立に意を尽くしてきたこの改正ストーカー規制法では、電話やファクスと同じように、迷惑メールを繰り返すことも新たに規制の対象となりました。警察が加害者に対して警告を発した際には、その事実を速やかに被害者に知らせるとともに、仮に警告しない場合には、その理由を被害者に書面で通知するよう義務づけております。 従来、警告や禁止命令は、被害者の住む地域を所管とする警察や公安委員会が行うことになっていましたが、加害者の住所地やつきまといなどがあった地域の警察や公安委員会も行えるようになります。 また、改正DV防止法は、夫婦や事実婚関係にある男女に限っていた保護対象を同居の交際関係にも拡大し、警察等が介入できるようになりました。 兵庫県警では、ストーカー対策として把握したすべての男女間のもめごとをデータベースで一元管理し、県警本部とすべての警察署で情報共有する仕組みを構築しています。また、相談者に定期的に連絡し、異常がないかを確認する安心コールシステムも既に導入しています。 そこでお尋ねします。 警察本部では、このたびのストーカー規制法改正及びDV防止法改正を受けて、どのような対応をお考えでしょうか。県内でのストーカーやDV被害の実態も踏まえて、ご見解をお聞かせください。 また、社会の第一歩で大事な人生に被害を受けないためにも、特に高校生には、ストーカー行為や恋人間のDVについて、正しい知識を身につけるための予防講座などが必要ではないかと考えます。ご見解をお聞かせください。 ○近藤和義議長 大沢警察本部長。 ◎大沢裕之警察本部長 お答えいたします。 平成二十四年に大分県警察が対応した件数は、ストーカー関係が二百二十件、DV関係が五百四十五件と過去最多を記録しており、ことしに入ってからもさらに増加傾向にあります。 この種事案は、被害者やその親族等に対する殺人等の凶悪な犯罪に発展するおそれもあることから、緊急を要する事案については、執務時間外であっても、関係機関と連携して、避難等を含め、必要な措置を講じているところであります。 また、本年春の組織改編でストーカー、DV事案に対応する体制を強化したほか、この種事案を一元管理し、被害者に対する定期的な連絡を実施するなど、被害者等の安全が確認されるまで対応を継続してきているところでございます。 今回の法改正、内容は、議員のご質問のとおりでありますが、大分県警察では、改正の背景、内容等を担当部門のみならず全職員に周知するための教養を実施しておるほか、改正の趣旨を踏まえ、より一層、関係機関、団体、あるいは他の都道府県警察との連携を図って、被害者等の安全確保を最優先とした適正な対応を徹底してまいる所存でございます。 ○近藤和義議長 冨高生活環境部長。 ◎冨高松雄生活環境部長 被害の未然防止についてお答えします。 ストーカーやデートDVは、肉体的、精神的な暴力で相手を自分の思うように支配するもので、犯罪となる行為をも含む重大な人権侵害であり、決して許されるものではありません。 高校生に対するストーカーやDVの防止についての正しい知識の習得は、将来における被害の未然防止のためにも大変重要であると考えています。 県では、平成十八年度から高校生、大学生を対象にデートDV防止セミナーを実施し、これまで延べ一万六千五百人に予防啓発を行っています。 また、高校生向けにデートDV予防啓発用リーフレットを作成し、DVの正しい知識や相談窓口の周知を図っています。 さらに、昨年度からは公私立の高校及び特別支援学校の養護教員を対象に、デートDVに関する正しい知識や適切な対応、予防教育の進め方などについて学ぶDV予防教育指導者養成研修を行っています。 今後も、積極的に広報や啓発を行うほか、研修の一層の充実を図るなど、被害の未然防止に引き続き取り組んでまいります。 ○近藤和義議長 吉岡美智子君。
    ◆吉岡美智子議員 どうもご答弁ありがとうございました。 二点、再質問させていただきます。 まず一点目ですけれども、一部の新聞には、ストーカー規制法には被害者をシェルターに保護する仕組みがない、若年のデートDV被害者の行き場がないのではないかと指摘する報道がございました。しかし、婦人相談所が行う一時保護には、その対象者として、恋人からの暴力の被害者であることが記されています。福祉保健部長のご見解を伺います。 二点目の再質問です。 NPO法人「全国女性シェルターネット」には、DVの相談が絶えないということでありました。 新聞の記事でありますが、中学三年生の女子生徒は、交際相手の同級生の男の子から性行為を強要され、おれ以外の友人とつき合うなとか、メールで行動を報告しろなどと束縛されました。担任に相談しても、二人で話し合って解決するようにと。学校でも暴力を振るわれ、自宅周辺をうろつかれ、家族が警察に相談したけれども、中学生だからと相手にされなかった。女子生徒は登校が困難になり、結局、転校したという内容でございます。 このようなことから内閣府も、昨年の発表では、四人に一人が二十代の女性がDVに遭っているということもありました。 以上のことから、ストーカーやDV被害の未然防止のため、暴力は許されない、必ず助けてくれる社会があるとのメッセージも込め、学校現場で講師を招き、予防講座が必要であると考えます。教育長のご答弁をお願いします。 ○近藤和義議長 平原福祉保健部長。 ◎平原健史福祉保健部長 私の方から、婦人相談所での一時保護についてお答えをいたします。 議員ご指摘のとおり、婦人相談所において、DVやストーカー被害等の女性についての一時保護が可能かということですけれども、可能でございますし、現に二十三年度に一人保護をしております。今後とも、しっかり対応してまいります。 ○近藤和義議長 野中教育長。 ◎野中信孝教育長 デートDVについて、中学生、高校生においても十分な対策が必要ということでございました。 学校現場においてこのような取り組みをすることが大事だということで、これまで教育委員会では、大分県消費生活・男女共同参画プラザと連携をいたしまして、DV予防教育指導者養成研修、あるいはデートDV防止セミナー等の紹介、活用して、学校において実施するDV対策を支援しております。 本年度、セミナー等の講師を活用いたしまして、学校への講師派遣という形で学校でDVの教育を行っております。 今後とも、学校の要請に応じて、セミナーの活用、あるいは教育委員会の指導主事を派遣するなどいたしまして、学校現場においてDVに対する正しい知識、そして予防方法ということについて充実を図ってまいりたいと考えております。 ○近藤和義議長 吉岡美智子君。 ◆吉岡美智子議員 どうも大変ありがとうございました。 以上で私の質問を終わらせていただきます。(拍手) ○近藤和義議長 以上で吉岡美智子君の質問及び答弁は終わりました。藤田正道君。  〔藤田議員登壇〕(拍手) ◆藤田正道議員 こんにちは。二十一番、県民クラブ、藤田正道です。 私、議員になりまして、この場に三度、一般質問で立たせていただきましたけれども、本日は、その中から四つのテーマを、フォローという意味も込めて、この中で取り上げたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 まず一点目は、新しい公共についてです。 これまで公共サービスは、行政が提供する立場、住民は供給される立場ということでございましたけれども、経済、社会が成熟し、価値観が多様化する現在では、住民のニーズと一律で提供される公共サービスとの間にずれが生じるようになり、行政が提供する公共サービスへの不満が高まりつつあります。 そこで、ニーズのある住民みずからがつくった活動が、裏方に回った行政に支えられた公共サービスとして提供される社会を目指そう、そういう考え方が生まれまして、これがいわゆる新しい公共と呼ばれるものです。新しい公共では、住民側も公共サービスの提供者となることから、行政には、住民に場を提供し、信頼し、そして権限を移譲することが求められます。 こうした動きは、一九九五年の阪神・淡路大震災において、多くの国民が災害ボランティアに参加し、その活動が大きな成果を上げ、ボランティアの提供する公共サービスの力が、行政関係者のみならず、広く国民に認知されたことから大きく高まってきたということでございます。 この年はボランティア元年と呼ばれ、多くが任意団体であったボランティア団体の立場を強化すべきだという声が高まり、NPOとして法人格を付与する特定非営利活動促進法、いわゆるNPO法が三年後の一九九八年に成立いたしました。 その後、国や自治体もNPOの育成と支援に取り組んで、一昨年には、寄附税制の改正と改正特定非営利活動促進法というNPO法人制度に大きな変革をもたらす二つの法律も成立したところです。 また、本県においても、平成十七年には「大分県におけるNPOとの協働指針」を策定し、また、「大分県行財政高度化指針」においても、新しい形の公共の担い手であるNPOや企業との協働を推進し、より質の高い、きめ細やかな行政サービスの提供に努めると位置づけられています。 また、平成二十三年から二カ年で新しい公共支援事業にも取り組み、さららに、ことし一月には、NPOなどの活動を県民みずからが資金的に支援するための県民ファンドである「めじろん共創応援基金」もスタートするなど、大分県の新しい公共の大きな動きが今まさに始まっているというふうに感じています。 そこで知事にお伺いいたします。 大分県内のNPOの活動、また、これまで県として取り組んでこられたNPOへの支援、そして、NPOとの協働の成果について、どのように評価をされているのか。 また、NPOや企業など新しい公共の担い手の活動や行政との協働について、今後の県の施策の中でどのように位置づけていかれるのでしょうか。 また、次に、昨年までの二年間取り組まれた新しい公共支援事業ですけれども、この事業でどのような成果があり、また、今後さらにNPOや企業など新しい公共の担い手と行政との協働を推進する上で明らかになった課題があればお伺いしたいと思います。  〔藤田議員、対面演壇横の待機席へ移動〕 ○近藤和義議長 ただいまの藤田正道君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。  〔広瀬知事登壇〕 ◎広瀬勝貞知事 藤田正道議員から新しい公共についてご質問をいただきました。 さまざまな行政分野におきまして、議員ご指摘のとおり、ニーズに合った、より質の高い、きめ細かなサービスを提供するというためには、行政だけではなくて、公益活動に高い意欲を持ち、機動性のあるNPOや、専門知識や技術を持つ企業等と協働して行うことは大変重要だというふうに思っております。 県では、これまで、「おおいたボランティア・NPOセンター」を設置いたしまして、こうしたNPOの運営を支援するほか、「大分県におけるNPOとの協働指針」を見直して、新しい公共との協働を強化したところであります。 こうした取り組みの中で、例えば、佐伯市でございますけれども、NPO法人「豊の国商人塾」が、米水津宮野浦地区の住民や企業、行政で構成する「むらの覚悟委員会」と協働の上で、住民主導による防災対策活動の推進を図り、自主防災活動の先駆的なモデルをつくり上げております。 杵築市でございますけれども、NPO法人「こどもサポートにっこ・にこ」が、企業と協働して独居老人の誕生日に子供たちのメッセージカードを添えて手づくりの作品を贈る事業を行っております。 豊後高田市では、NPO法人「アンジュ・ママン」が、企業、地域と協働で「子育てひろば」を運営しておりますけれども、昭和の町商店街と連携して、買い物をすればベビーカーの借り上げが無料になるサービスを行っておられます。 このように、本県のNPO、企業、行政の協働は着実に進展してきていると思いますけれども、もちろんまだまだ課題もあります。 一つ目の課題でございますけれども、NPOが安定した財政基盤を構築していくということが大事でございます。 本県では、NPOに寄附が集まりやすくするために、これは議員からもいろいろご指摘をいただいとったところでございますけれども、寄附者に対する税の優遇措置ができるように条例の改正などにいち早く取り組みまして、認定NPO法人「青少年の自立を支える青空の会」や県指定NPO法人「地域環境ネットワーク」が誕生しました。この制度を活用するNPO法人がさらにふえるように、しっかりと支援していきたいと思います。 二つ目は、NPO活動を社会全体で支える仕組みをつくっていきたいということであります。 その中心を担う一般財団法人「おおいた共創基金」が本年一月に設立されたところであります。この財団は、NPO活動資金を集めて、そしてNPOにお配りするというほかに、NPOの情報発信や交流事業、さらにはNPO運営上の支援を行いまして、NPOに対する皆さんの理解と協力が広がるようにいろいろとサポートをしていっております。こうしてNPO活動を社会全体で支える仕組みをつくっていきたい。 三つ目は、協働機会の拡大であります。 NPOは企業等への情報発信の面でまだまだ課題があり、公益活動に高い意欲を持つNPOに対しまして、行政の提案公募型事業への参加を促していきたいというふうに思います。その成果を広く紹介して、企業等への橋渡しを行政としてもフォローアップしていきたいというふうに思います 今後とも、NPO活動のさらなる活性化を図り、おのおのの得意分野を生かした協働を進めて、防災、環境、福祉などのさまざまな分野で、行政の重要なパートナーとして、ますます活躍していただきたいというふうに考えております。 もう一つのご質問につきましては、担当部長の方からお答えさせていただきます。 ○近藤和義議長 冨高生活環境部長。 ◎冨高松雄生活環境部長 新しい公共支援事業についての成果と課題についてお答えします。 まず、成果ですが、地域課題の解決等に取り組む県民活動を県民で支える「めじろん共創応援基金」が百二十八の個人、企業からの寄附で設立できたことが、この事業における最も大きな成果だと考えております。 また、NPOの活動を紹介するホームページ「おんぽ」での情報開示や、融資の円滑化、経営支援を通じて、金融機関からの融資を受けて事業を展開するNPOが生まれるなど、活動基盤の整備も進みました。 また、この事業を多くのNPOと実施する中で、これまで余り見られなかったNPOの横の連携が自発的に生まれたことも大きな成果と考えております。 あわせて、先ほど知事から紹介した事例のように、地域課題を解決するための協働モデルとなる事例が蓄積できました。 課題ですが、NPOによっては、今後の事業継続に向けた組織力や財務基盤等がまだまだ必ずしも十分でないところがありますため、「おおいたボランティア・NPOセンター」による専門家の派遣や、各種研修機会の提供のほか、行政の提案公募型事業などを積極的に活用し、協働を推進してまいります。 以上でございます。 ○近藤和義議長 藤田正道君。 ◆藤田正道議員 ありがとうございました。 これからさらにNPO等新しい公共の担い手との協働を進めていこうということで、幾つかの課題も教えていただきましたが、今、せっかく機運が、基金もでき、そしてモデル事業も進める中で出てきたということですので、これからが非常に重要な時期だろうというふうに思っております。 新しい公共支援事業は、前年度で、もう終了しているわけですけれども、これから次年度に向けて、新たな核となるような事業について、もし現時点で構想などあればお伺いをしたいと思います。 それとまた、これまでのNPOとの協働事業というのは、どちらかというと県が中心で、住民に密着している市町村での取り組みがいま一つかなという感じを受けているわけなんですけれども、昨年、条例化された認定NPO、指定NPOへの寄附税制の関係についても、まだまだ市民、町民等の皆さんへの周知も行き渡ってないような気がしてますので、市町村の取り組み、それから今後の働きかけ等についてもお考えがあればお伺いをしたいと思います。 ○近藤和義議長 冨高生活環境部長。 ◎冨高松雄生活環境部長 NPOの核となる構想というお尋ねですけれども、先ほど知事から協働の課題として、NPOの安定した財政基盤を確立するための寄附税制に関する取り組み、次に、NPO活動を社会全体で支える仕組みづくり、さらには、協働の機会を拡大するための企業等への橋渡しなどについてお答えしました。県としては、この三つの課題をしっかりと解決していくことが本県のNPO支援の核となると考えています。 次に、市町村の取り組みの現状と今後の働きかけについてですが、まず、寄附税制に関する取り組みでは、県が条例の整備を行い、その後、市町村に説明会などを行いました。認定NPO法人に関する条例が今日では県内すべての市町村で制定され、また、指定NPO法人については、現在、十三市町で制定され、その他の市町村においても制定に向けた検討が進められています。 市町村とNPOとの協働では、昨年度は、日田市の市民サービス協働事業を初め、市町村とNPOの協働事業が百七十二件となりました。それらの事業費は合わせて約三億円で、前年度とほぼ同じとなっています。 市町村でのNPO活動の支援も進んでいます。例えば、杵築市では、「きつき志民塾」を開催し、将来のまちづくりリーダーを養成しています。佐伯市では、商店街の交流スペースを活用して「まちづくりセンターよろうや仲町」が設置され、佐伯市がNPO法人の設立などの相談に対応するとともに、NPO・市民活動講座を開催するなど、特色ある取り組みが進められています。 このような取り組みの結果、今後は、県と「おおいた共創基金」との連携に、地域に密着した市町村にもこれまで以上の参加を促して、三者がお互いの強みを生かしながら、全県的な広がりを持ったNPOへの支援と協働を推進していきたいと考えております。 ○近藤和義議長 藤田正道君。 ◆藤田正道議員 ありがとうございました。 確実に、着実に市町村にも広がっていっているということがよくわかりました。 それで、先ほど知事から挙げていただいた課題の三つ目に、これから協働機会をさらに拡大していくということが一つございましたけれども、この拡大をするという方策で、実は私、先般、政務活動で長崎と佐賀の新しい公共の取り組みを調査に行ってまいりましたが、佐賀県では、県の知事部局と教育委員会事務局における当初予算の事業を佐賀県業務内容一覧表としてすべて公開して、その上で、この事業は幾らの予算で、現在はこのように事業を行っていますが、もっと効率的、効果的にできるような方法があれば、ぜひ提案してくださいということで、NPOや企業からの提案を募集するCSO提案型協働創出事業、こういうものを導入しておりまして、協力する市町でも行うことというふうになっているそうです。 佐賀のNPO関係者の方のお話も伺いましたけれども、この事業がやっぱり、いろんな、うちのやっている活動と、あっ、こういう事業がリンクしているなということを見つけ出すきっかけにもなって、大変やる気になった、きっかけを与えられているということでございました。 今、本県で行われている公募型提案事業は、どちらかというと、行政の側から、これはNPO向きだな、いや、これはやっぱり公でやらないといけないなと振り分けをした上での提案を受けるという形でありますけれども、そうではなくて、オープンにした上で、どこかまだよくうまくできるようなところがあれば提案しませんかというような事業というのも、パクりじゃないですけれども、ぜひ大分県でも考えてみてはいかがかと思うんですけれども、いかがでしょうか。 ○近藤和義議長 冨高生活環境部長。 ◎冨高松雄生活環境部長 議員ご提案の佐賀県の事例についてですが、今、県では、まさにこちらの方から提案型公募事業をNPOに募っているところでして、佐賀県の事例については、今後、ちょっと研究をさせていただきたいと思います。 ○近藤和義議長 藤田正道君。 ◆藤田正道議員 ぜひ前向きに検討していただければありがたいと思っております。 今のは、行政が現在行っている事業やこれからやろうとしている事業にNPOや企業の参加を求めるというものでしたけれども、県民がみずからのニーズについて、みずから立ち上がって事業を起こす活動を支えるものがめじろん、先ほどもお話ありましたけれども、「めじろん共創応援基金」が非常に大きな役割を果たしてくるだろうというふうに思っています。 先ほど知事からもご紹介がありましたように、立ち上がったばかりではありますけれども、NPOが活動する上で大きな支えになる組織でございますけれども、これもまた佐賀県の話で恐縮なんですけれども、実は、佐賀県でも同じように、県民ファンドの佐賀未来創造基金というのが本年設立されてますけれども、こちらでは、基金が軌道に乗るまでの三年間、マッチング・ギフト方式ということで、例えば、県民が五百万円寄附をすれば県も五百万円寄附します、県民が一千万円寄附すれば県も一千万円まで寄附する、上限が一千万円というふうになってますが、そういう形で、基金を軌道に乗せるまでの三年間、取り組みをやっていこうという取り組みがなされておりました。 資金の面でいくと、基金、募金が始まって、まだことしが初年度ですので、多分、二年目以降が非常に厳しくなってくるだろうと思われますので、そういった県民や団体、企業の寄附の呼び水になるような制度をぜひ県の方でつくっていただけないだろうかというふうに思っております。 そしてまた、人材的な面では、職業上のスキルや経験を生かすプロボノの積極的な活用というのもありますけれども、こちらも、昨年、協働事業をやる中でモデル事業の報告会がありましたが、一番大変だったのが、行政の事務手続だとか、報告だとか、財政的な手続、ここに物すごい労力がとられるということなんです。なので、このプロボノの登録にも、例えば、県職や市町村職をやられたOBの方に登録していただくとか、その道になれた、事務手続になれた方に登録していただくというのは、協働する上では非常に大事じゃないかという気もしてるんですが、その辺の対応の考えがあればお願いしたいと思います。 ○近藤和義議長 冨高生活環境部長。 ◎冨高松雄生活環境部長 一般財団法人「おおいた共創基金」、これは、NPO活動を社会全体で支えるという理念のもとで創設されました。 本年、子供の電話相談を行うボランティア団体「チャイルドラインおおいた」や小学生を対象に体験型の森林教室を運営するNPO法人「やまもりの会」に助成を行い、NPOの活動を資金面で支えています。 財団がNPOへの経営や活動支援等に精通したスタッフを擁しておりますので、今年度、NPOの総合支援を行う「おおいたボランティア・NPOセンター」の運営を委託しました。 財団は、信頼度と知名度をさらに高めるため、公益法人化を目指していることから、県としては、運営面に関する助言や企業等に対する賛助会員の募集などの側面的な支援を現在行っているところです。 今後とも、財団が自立し、継続して運営できるように、議員ご提言のありましたような自治体の事例も参考に、支援のあり方を研究していきたいと考えております。 以上でございます。 ○近藤和義議長 藤田正道君。 ◆藤田正道議員 ありがとうございました。 今お話にありました「チャイルドラインおおいた」さん、助成第一号ですけれども、任意団体ではありますけれども、専用電話をつくって、子供たちからの相談や悩みを受けて、子供たちがそのことでほっと一息つける場所をつくろうという活動をされてますが、実は、こちらには公的な補助というのは一切入ってませんし、資金面では、「めじろん基金」が周知するためのカードをつくったりすることに活用されている。いわば、本当、県民自前の活動なわけです。そちらへ資金を提供しているこの「めじろん基金」の方にも、できれば幾らか、先ほどの一千万円までは行かなくてもいいかもしれませんけれども、この資金的な面も協働ができるような制度というのを考えていただければ、こちらの分野でも協働が真の意味でかなうのかなという気がしています。ぜひよろしくお願いしたいと思います。 次に、再生可能エネルギーの普及促進と景観の保全についてです。 ことし八月二十五日付の大分合同新聞の朝刊に、「メガソーラー建設におくれ」という見出しで、由布市塚原の市有地に建設が計画されているメガソーラーに対して、一部の地元住民が景観が損なわれるという懸念から反発の声が上がり、市から業者への土地売却がおくれているという記事が掲載をされていました。 また、同じく由布市塚原の別荘地で、住民の男性がみずからの敷地に太陽光発電用のパネルを建設したことで景観が損なわれたとして、周辺の別荘所有者や住民らがパネルの撤去と損害賠償を求めて、先週四日に大分地裁に訴訟を起こしたという記事もありました。 本県は、再生可能エネルギーにおける供給量、自給率とも日本一で、再生可能エネルギーの推進に官民挙げて取り組んでおりますけれども、特に太陽光発電は一定の広さの用地が必要なことから、最近では市街地を離れた山間部や高原地帯などにも建設をされ、山林の中に突如、ソーラーパネルの姿があらわれるなど、加速度的に県下各地でパネルの設置が広がっています。 冒頭の由布市塚原の現場では、こちらは、大分自動車道で福岡方面から別府、大分へ向かう旅行者の方が、山間の風景から一転、由布岳、鶴見岳の山影と牛が放牧される草原、それから塚原温泉の噴煙、こういうパノラマを目にして、その後、はるかに開ける別府湾を眺めていく、いわば大分県の風景を象徴するような場所にあるだけに、そこに二十万平方メートルのパネルが設置されるということは、いろんな論点から、賛否両論、さまざまな意見があろうかというふうに思われます。 例えば、県外から来られた方は、「大分県は、景観よりも再生可能エネルギー日本一をさらに推進していくんだな」というメッセージで受け取るかもしれませんし、あるいは「自然環境保護よりも産業優先の県なのか」というマイナスなイメージで受け取られる方もあるかもしれません。 現状では、土地の所有者さえ了解すれば法的には問題ないわけなんですが、当事者である由布市や塚原の人々だけの問題ではないのではないかという気がしています。 この塚原の事業のみならず、太陽光発電と景観の保全のあり方について、さまざまな問題点を実は感じています。 本県では、国東半島宇佐地域が世界農業遺産に登録されるなど、豊かな自然と代々受け継がれてきた伝統的な農業や日常生活の営みによって守り育てられてきた誇るべき風光明媚な景観を持った地域が数多くあります。このような文化的、歴史的な背景と美しい景観を前面に打ち出して、世界農業遺産だけでなく、ジオパークや世界遺産の登録を目指す地域もあります。 一方、世界遺産登録を目指す佐賀県吉野ケ里のように、景観の悪化や近代的建築物の存在が申請の障害となることを理由として、メガソーラー建設の反対運動が起こっているところもあります。 実は、各種の世界遺産がありますけれども、登録の審査基準ではこの景観というキーワードが非常に重要な意味を持っておりまして、例えば、二〇〇四年に世界遺産に登録されたドイツのドレスデン・エルベ渓谷は、新たな橋の建設によって、そこ一帯の文化的な景観が損なわれたと判断されて、二〇〇九年に登録が抹消されています。近代的構造物で登録されない、あるいは登録後にも新しいものができると抹消されるという事例が生じているわけです。 こうした状況も踏まえて、ジオパーク、あるいは世界遺産の申請を行い、目指している市町村などとの連携も含めて、本県における景観の保全に対する現時点での基本的なスタンスと取り組みの状況についてお伺いいたします。 ○近藤和義議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 これも大変重要な課題であります景観保全についてのご質問でございました。 大分県の自然景観は、観光振興や地域振興等を支える貴重な財産であるというふうに考えております。 県では、自然環境の保全と適正管理を図るために、豊かな自然景観を持っております地域を自然環境保全地域、あるいは自然海浜保全地区に指定するとともに、土地利用の急速な変化によりまして変貌する沿道の景観を守るために、昭和六十三年に大分県沿道の景観保全に関する条例を制定いたしまして、指定地区内の大規模建築等が周辺景観と調和するように指導してきたところであります。 その後、平成十六年には景観法が施行されまして、建築等の制限ではなくて、住民に最も身近な市町村が景観行政団体となりまして、地域の特色に応じた基準を定めて、個性ある景観へと誘導することができるようになったわけであります。 ただいまのところ、宇佐市を初め、県内十一市が景観行政団体となって、そのうち九市では、独自の景観条例に基づき景観行政が展開されております。 各市町村には、景観に対する住民ニーズをくみ上げて、しっかりとした景観行政を行うとともに、的確な対策を講じてもらいたいというふうに考えております。 お話のありました塚原地区は、この対策の範囲内にたしかなってたんじゃないかと思います。そういうところを市町村としてどう取り扱うかというところは、よく考えていただく必要があるんじゃないか、こう思っています。 もとより、広域的で広範囲な景観保全につきましては、単独の市町村では困難なところもありますから、県といたしましても、例えば、岡城址の荒廃竹林整備だとか、名勝耶馬渓の景観再生などに取り組んできたところであります。今年度も、大分空港道路沿線における荒廃竹林、あるいは風景街道やまなみハイウェイの景観支障木の伐採に取り組んでいるところであります。 県内ではジオパークや世界遺産など地域の景観資源や文化資源を生かす取り組みが進められておりまして、今後とも関係自治体と連携して、自然景観や文化的景観の保全形成に適切に取り組んでいきたいというふうに思います。 県といたしましては、このような対応方針のもとで、現行法令の範囲内での景観保全で十分かどうかというところも含めまして、少し検討してみなきゃならぬ、こう思っているところであります。 ○近藤和義議長 藤田正道君。 ◆藤田正道議員 ありがとうございました。 自然環境の保全地域だとか、沿道の景観を守るための条例等々もありますけれども、それらの、現行の条例や決まりというものがそれぞれの地域の住民や観光客にとって求められているものと一致しているかという検証を、やっぱり一度、それぞれの市町村も含めてやっておく必要があるんだろうというふうに思っています。その後、それらの地域に新しい建築物、構造物ができるときには、やはり話し合って、景観に配慮してもらえるような、もしくは、場合によってはやめていただけるような話し合いができるような、歯どめとなる制度というのもやっぱり必要ではないのかなという気もしております。 そういう意味で、実は、ことしの第一回定例会の一般質問で、太陽光発電所の建設と景観の保全に関して、県と自治体、そして住民などがどこまで関与できるのかというのをお尋ねいたしました。また、あわせて、再生可能エネルギーの立地に関する情報を県の各部局や関係各所から集約する体制と、一部改正された大分県環境影響評価条例における戦略的環境アセスメント制度に準じて、事業者が計画段階で県や自治体に配慮書を提出して、事前に行政や住民が想定される影響や課題を把握して対応できる仕組みづくりについても、実は提案をさせていただいておりました。 そのときの答弁の概要を若干読み上げますと、「周辺環境への配慮は、まず事業者が適切に対応することであるが、現段階においては、計画段階において事業者に配慮書を提出させる仕組みについて実施することは考えてはいない。しかし、再生可能エネルギー導入の動きは大変早く進んでいく可能性があるので、周辺環境への配慮に関しても、常に問題意識を持ちながら再生可能エネルギーの導入を進めていく。また、再生可能エネルギーの導入にはさまざまな課題があるので、相談を受けることが大事であり、関係部署がしっかり連携して対応していきたい」という答弁でございました。 重ねての質問で恐縮になるんですけれども、例えば、これまで関係部署で、景観保全という観点で見たときに、どのような具体的な連携がとられてきたのか、そして、今回の由布市のメガソーラー建設計画で、県としてどのようにかかわってきたのか、この点についてお伺いをしたいと思います。 ○近藤和義議長 西山商工労働部長。 ◎西山英将商工労働部長 お答えいたします。 まず、関係部署との連携でございますが、再生可能エネルギーの導入を促進する上で周辺環境への配慮を行うことも大変重要だと認識しております。そのため、これまで、事業者や地元自治体などから相談を受けた際には、単に経済的、あるいは技術的なアドバイスだけではなく、土地開発や景観保全といった関係法令についてもよく説明し、場合によっては、関係部署との協議の場に商工労働部等も同席していたところであります。 それから、今般の件でございますけれども、今回の由布市の件につきましては、メガソーラーの設置が法令上問題ないか、景観保全部署のみならず、他の関係部署と協議してきました。例えば、自然公園法だとか、環境保全法だとか、森林法だとか、いろいろ所管する部局がありますので、そういった部局と協議をしてまいりました。 なお、今回の由布市の件でございますが、既に市が土地売却について議会の議決を得ているという経緯がございますが、議員ご指摘のとおり、景観上の心配もございますので、今後も関係部署と連携を図りながら、しっかり注視していきたいと考えております。 以上です。 ○近藤和義議長 藤田正道君。 ◆藤田正道議員 わかりました。 今のご答弁に関して、例えば、かかわっていく中で、由布市が売却しようとしている売り渡し先の会社の状況であるとか、あるいは、契約内容で、その土地が将来どういう形で使われることになっているのかとかという内容についての把握はされているんでしょうか。 ○近藤和義議長 西山商工労働部長。 ◎西山英将商工労働部長 さまざま規制法等がございます。その法律へ適合しているかどうかという判断をする上で、必要な限りにおいて情報を関係部局が入手して判断するということになろうかと思います。 以上です。 ○近藤和義議長 藤田正道君。 ◆藤田正道議員 ありがとうございます。 多分、これから、ちょっとそういう視点での対応もしていただけるということで今答弁を、知事のご答弁も含めて判断をさせていただいていますので、今後ぜひそういう視点で、これは太陽光だけではなくて、いろいろな自然保護地域であるとか、我が県の、県民、あるいは大分県出身者の心の原風景のようなもの、そういう価値も多分あるだろうと思いますので、そういった取り組みをぜひお願いさせていただきたいと思います。 それでは、続きまして、広域交通体系の構築についてのご質問をさせていただきます。 これまでの一般質問で、例えば、中部、近畿、四国、九州の人、物の移動、交流促進や地震など大規模災害時の代替ルートとなり得るフェリー航路を活用した太平洋新国土軸の具現化や、東九州自動車道の全線開通並びに中九州横断道路の延伸を見据えた中での広域交通体系の整備と観光戦略について幾度か取り上げてまいりました。 それらのやりとりの中で、「本県が九州の表玄関としての役割を担っていくため、今後、フェリー事業者やその就航先の各自治体との協力体制をさらに強め、相互の観光情報発信による交流人口の拡大や効率的な物流に向けたモーダルシフトの促進などの取り組みが重要である」、そしてまた、「四国からの来県者は、実は六割以上がフェリーを利用して車で大分を訪れているので、今後、大分を経由して九州を周遊する観光客の増加が期待できる」、そういう共通認識に立たせていただいているということがわかりました。 また、その際、執行部からは、「県としても、モーダルシフトを図りながら、フェリー航路を活用した物流体系の構築を推進していく」という決意もお聞かせいただきました。 また、私からも、「四国と南九州については、例えば、宮崎、鹿児島県と我が大分県が一緒に四国に行って共同でキャンペーンを行う、あるいは、南九州を対象にして、四国の各県と連携して、我が県が音頭をとってキャンペーンをやる、そういうことを通じて、大分がそれぞれの交通の拠点であるということをアピールしていってはどうか」というご提案もさせていただいたところです。 今年度の予算を見ますと、フェリー航路活性化緊急対策事業や東九州自動車道関連観光振興対策事業といった予算が計上されており、フェリーへのモーダルシフトの推進や宮崎県からの誘客促進などに取り組まれていることと思います。 そこで、これまでの取り組みを踏まえて、フェリー航路を活用した広域交通体系の構築がどのように図られているのか、また、その現状と今後の取り組みについてお聞かせいただきたいと思います。 あわせて、広域交通体系を活用した観光戦略について、今年度どのような取り組みを進め、また、次年度に向けて現時点でどのような取り組みを考えておられるのかについてもお願いいたします。 ○近藤和義議長 塩川企画振興部長。 ◎塩川也寸志企画振興部長 広域交通体系の構築と観光振興についてのご質問ですので、それにお答えいたします。 まず、フェリー航路の現状でございますけれども、直近の四月から七月までの利用状況は、県が支援策に取り組む前の平成二十二年同時期と比較いたしますと、車両で一〇四・五%、旅客で一〇一・一%と堅調に推移しておりまして、フェリー航路を含む広域交通体系の維持は図られているものと判断いたしております。 現在、あるいは将来の県の取り組みでございますけれども、ツーリズム戦略と相まって、フェリー事業者が行う大分向け旅行商品の造成でありますとか、テレビCMの放映ですとか、フェリー航路活性化に向けた取り組みを支援しております。 また、本県への観光誘客等を一層強化するため、新たに就航先地域とも連携して、十月に県内の観光関係者がフェリー事業者とともに神戸市内や愛媛県内の商業施設等で本県への誘客イベントを実施するなど、取り組みを拡大しております。 さらに、東九州自動車道の全線開通を見据え、四国等からの誘客戦略を宮崎県と協議しているところでもあります。 フェリー航路は本県の観光振興や経済発展に大きな役割を果たしますことから、今後もフェリー事業者や就航先地域と連携を一層強化しつつ、効果的な誘客策を実施してまいりたいと考えております。 以上です。 ○近藤和義議長 藤田正道君。 ◆藤田正道議員 ありがとうございました。 平成二十四年の第二回定例会の一般質問では、災害時の代替輸送ルートとしてのフェリー航路の重要性について共通認識に立たせていただいた上で、その代替輸送ルートである航路、実は、継続するも廃止するも、主体的には事業者の経営判断、採算がとれなければやめてしまう、航路がなくなることもあるし、続けられるかどうか、非常に重要なルートであるにもかかわらず、民間事業者の経営判断にゆだねられているという、非常に危うさについても言及させていただきました。 実際に利用者の減少に対応するために、便数や航路数を減らすことで黒字を確保しているというフェリー事業者もございます。ある意味、利用者が減れば、航路や便数が減って利便性が低下する、逆に、利用者がふえれば、航路の維持や増便が可能になって利便性も向上していく、こういう関係にあるのだろうというふうに思いますけれども、やはり観光と物流の両面、フェリーの場合はトラック輸送の海上輸送を担う部分もございますので、東九州自動車道の全線開通に向けた戦略が必要だと考えます。 先ほど観光戦略については、宮崎や四国とも連携をしながらということなので、ぜひ大分が中心になって、双方に働きかけをするという取り組みを次年度に向けて構築していただきたいと思いますが、もう一つの物流の方、フェリー事業者の経営的な収入源の一つでもありますので、こちらを体系的に促進するような枠組みをぜひ考えていただきたいんですけれども、現状、こういったトラック輸送等の物流を考える部署というのが県でどこになるのかということと、どのような今、物流に関しての検討がされているのかという点についてお伺いをします。 ○近藤和義議長 塩川企画振興部長。 ◎塩川也寸志企画振興部長 県の物流担当部局がどこになるのかということですけれども、これは、明確な意味で物流を所管しているところがどこということは、なかなか特定するのは難しいんですけれども、当然、私どもの交通担当部局と、それから商工労働部の、いわゆるそうした製造業とかの物流を担当するところとか、そういうところが共管しながらやっていくという形になると考えております。 現実に、実際問題としては、例えば、臼杵と八幡浜の航路など見ますと、主要輸送品といいますか、運ばれているものは、トラックによる、やはり物流関係のものが多い、部分的に多くなっております。したがいまして、そういう形での物流ルートの確保等に向けて、県としても、きちんと、しっかりそうした業者の人たちと話をさせていただいておりますし、今後、どういうふうに進めていくかということについてもしっかり考えていかなければならないということを、企画、それから商工労働部、あるいは農林水産部等が共管する中で、しっかりそういう物流体系というものを、災害対策も含めた物流体系というものを考えていきたいというふうに検討しているところです。 以上です。 ○近藤和義議長 藤田正道君。 ◆藤田正道議員 ぜひ東九州自動車道が全線開通するまでに、一度、今おっしゃった各部、それから道路の部分でいくと土木建築部、あるいは標識等でいくと警察にかかわるところもあるかと思いますけれども、そういうトータルでのそうした利用促進に向けた、また、モーダルシフトという形で海上輸送をもっと活用するような方策を検討する体系、そして実践していく取り組みをぜひ進めていただきたいというふうに思います。 それでは、最後に、マンション対策についてでございます。 平成二十三年の第四回定例会で取り上げさせていただきました。そのときの答弁の中で、本県における分譲マンションの状況は、平成二十二年度末現在で約六百五十棟、戸数が約三万戸、居住者は約七万二千人と推計されておりました。七万二千人といいますと、日田市、あるいは佐伯市並みの人口ということになっております。 その後も大分市中心部では、駅周辺の再開発に伴って建設が進んでおり、大分市、別府市以外の市町村でも既にマンションは各所で建設をされておりまして、今や分譲マンションは県民にとって一般的かつ主要な住宅の形態となっております。 ちょうどその質問をした当時は大分県住生活基本計画の見直しが行われていたところで、そのときには、県として、具体的な施策を検討する際には、戸建て住宅と集合住宅、で、集合住宅の中も、オーナー賃貸や公営住宅、そして分譲マンションとそれぞれの所有形態に応じたアプローチが必要ではないか、また、分譲マンションについては、管理組合での集団的な意思決定が必要であったり、所有者がそれぞれ資金調達を自分たちでしなければならなかったり、個人所有の部分と共有部分が併存してあったりといろいろな特性がありますので、それらを含めた施策をとっていただけないかということもお話しさせていただきました。 新たな基本計画を見ますと、そのように提案した意見も反映をしていただいておりまして、実は、マンションについては、計画修繕や建てかえ検討時期を迎える分譲マンションストックが今後増加していくという予測とともに、今後は、居住者の高齢化による管理組合の維持修繕能力の低下や居住環境の低下が懸念され、県内の分譲マンションの管理が必ずしも適正に行われているとは言えないという現状分析を行った上で、分譲マンションの適切かつ計画的な維持管理を促進するために、長期修繕計画等に関する情報提供を行うとともに、修繕計画の策定支援やマンション管理組合に対する相談機能の充実を図るという方向性がこの住生活基本計画の中に示されているわけでございます。 そこでまず、この基本計画に基づいて、今後、分譲マンションに対する施策をどのように取り組んでいくのか、また、現在の取り組み状況についてもあわせてお聞かせいただきたいと思います。 次に、国交省においても、実は、分譲マンションの適正管理を推進するためにさまざまな補助制度がこれまでも設けられてきました。例えば、住宅・建築物安全ストック形成事業として、マンションの耐震診断や耐震計画策定、耐震改修などに対する補助制度が実はあるんですけれども、これは地方公共団体において補助制度があるということが前提で、国がその地方公共団体に補助を行うということなので、公共団体が持っていなければ使えないということでございます。 実は、この事業、大分市、別府市を初めとして、県内のすべての市町村がマンションのような共同住宅を補助の対象外としているために、県内の分譲マンションでは、こうした国の補助制度が現状受けられないということになっております。 国交省が公表している資料では、九州、沖縄の各県では、すべての市町村ではないんですけれども、少なくとも県庁所在市などでは共同住宅も補助対象ということになってますんで、全くないというのは、実は本県だけなんです、九州、沖縄の中では。 マンション管理士派遣事業についても、福岡市や熊本市などの市町村や、神奈川県、兵庫県などの都心部の都道府県が実施をしているんですけれども、実は、マンション関係者の中では、九州の中では大分県は福岡に次ぐマンション県というふうに言われてるんですけれども、大分市と別府市がこれまでマンション管理の相談会というのを開催しているだけという状況になっております。 今後は、新たに住生活基本計画で示された現状分析と対策も含めて、まず、国がこれから来年度予算の中にマンションも対象になるような住関係の補助事業があったときには、ぜひ、それ、県もしくは市町村で取り入れていただくような目線を持っていただきたいというのが一つです。それと、県独自、あるいは市町村がそういった助成制度をつくるための指導等もご検討いただきたいと思うんですが、それぞれについてお考えをお伺いしたいと思います。 ○近藤和義議長 畔津土木建築部長。 ◎畔津義彦土木建築部長 お答えいたします。 県では、マンション管理の適正化を推進するために、マンション管理士会及びNPO法人との共催によりまして、管理組合向けの研修会を毎年度開催し、建物の維持管理の委託方法や居住者の高齢化に伴う管理組合の運営等につきまして情報提供を行うとともに、個別の相談窓口を設置しております。 今年度は、マンション管理士会の協力のもとに、長期修繕計画を含めた管理組合の諸課題に関する実態調査を行う予定としております。 また、耐震化支援につきましては、本県の分譲マンションにおける耐震化率は約九三%と推計されておりまして、これと比較して耐震化がおくれている木造戸建て住宅に対する支援を行っているところでございます。 分譲マンションの計画的な維持保全は重要であることから、引き続き、市町村やマンション管理士会、さらにNPO法人と連携しまして、マンション管理に関する情報提供や相談体制の充実を図ってまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○近藤和義議長 藤田正道君。 ◆藤田正道議員 ありがとうございます。 今、耐震等については、確かに木造住宅が非常に、耐震診断についても、改修についても、おくれているという状況も重々に承知をしているわけですけれども、同じように、マンションといえども区分所有で戸別の住宅の所有者という立場、木造住宅であれ、一戸建てであれ、変わりはないというふうに思います。そういった助成制度や支援制度というのは、私はやっぱり公平に行われるべきではないかという気がしておりますし、九三%ということは、残りの六%、七%のマンションについては、安全性が確認されているかどうかわからないということです。なので、今後の施策の中ではそういった視点での取り組みをぜひご検討いただきたいということを最後に重ねてお願いさせていただきたいと思います。 また、先ほどのNPOとの協働ということもございますけれども、やはりマンション関係についても、いろんな団体やそれぞれの管理組合等との連携、あるいは業界団体との連携で、そうお金をかけずともそういったチェックができる体制というのは構築できるんではないかという気もしていますので、また、そういう視点での取り組みもお願いをさせていただきまして、私の本日の一般質問を終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。(拍手) ○近藤和義議長 以上で藤田正道君の質問及び答弁は終わりました。 お諮りいたします。本日の一般質問及び質疑はこの程度にとどめたいと思います。これにご異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○近藤和義議長 ご異議なしと認めます。 よって、本日の一般質問及び質疑を終わります。  ------------------------------- ○近藤和義議長 以上をもって本日の議事日程は終わりました。 次会は、明日定刻より開きます。 日程は、決定次第通知いたします。  ------------------------------- ○近藤和義議長 本日は、これをもって散会いたします。     午後三時二十一分 散会...